Vol.2 フィルターワークで撮る星野
明るい星の周り現われる紫ハロ |
ニコンCOOLPIX995を冬の星空に向け、オリオン座と冬の大三角を撮ってみた。COOLPIX995は、M(マニュアル)モードでシャッター速度をバルブにすると、最長60秒露出ができる。60秒露出では肉眼で見えない暗い星までよく写る。 画像をよく見ると、明るい星の周りに紫色(マゼンタ)のハロ(ニジミ)が出ているのがわかる。これは星の光の中に含まれる紫外線の影響で、レンズ設計で考慮されていない短波長の光が収差により大きくニジんでしまうためだ。また、画面全体が紫がかったようにカブっている。 紫色になるのは、COOLPIX995がCCDに補色系のフィルターを採用しているためだ。そこで紫外線に近い波長をカットするフィルターを用い、紫色のハロを少なくできるかどうか試してみた。 |
コダックラッテン2E |
コダックのラッテンゼラチンフィルターNo.2E。 420nmから440nm付近よりも短い波長の光をカットするシャープカットフィルターで、薄いシート状である。 |
ゼラチンフィルターは専用のフィルターホルダーで装着する。ニコンCOOLPIX995はフィルター径が28mmと小さいので、ステップアップリングを3つ組み合わせた。。 ゼラチンフィルターは湿気に弱く、夜露に濡れるとヨレヨレになるので取り扱いには注意が必要だ。
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フィルターの効果を検証 |
2Eを使用した作例 紫色のハロはかなり改善できる。同時に画面全体が紫(マゼンタ)にカブってしまう傾向も、ずいぶんと改善されているのが興味深い。 2Eとディフューザー1を併用した作例 さらに2Eフィルターを使用しても残る紫ハロをごまかすのと、明るい星を大きく強調する目的で、コッキンのディフューザー1フィルターを併用してみた。紫ハロもなく空の色もすっきり、輝星も派手な、まずまずの作品になった。 このページの作例画像は、撮像した画像を縮小したものです。 撮影/川村 晶(星ナビフォトライター) |