ヘール・ボップ彗星を見よう(秋編)


今世紀最大といわれるヘール・ボップ彗星が、秋の夕方の空で双眼鏡でも 見えるようになっています。 天体観測に慣れていれば、夜空の暗いところなら肉眼でも 見ることができます。 そのヘール・ボップ彗星の観測方法を徹底ガイドします。

写真 7月13日のヘール・ボップ彗星(撮影:根本泰人氏)

STEP 1 どこで見る
彗星を見るなら天の川が見えるほど空が暗いところが一番です。この時期の ヘール・ボップ彗星は4〜5等級ほどの明るさですが、淡く広がっていて、 ふつうの5等星より暗いので、夜空が暗いほど見やすくなります。

STEP 2 いつ、どこに見える
ヘールボップ彗星は夕方の南西〜西の空に見えています。太陽が沈んだ後、夕焼け が終わって空が暗くなるのは、東京で10月初めに夜7時頃ですが、それから8時半頃 まで見えています。ただし、時間が遅いと彗星の高度が低くなって見えにくくなって しまいます。彗星が見られる時間はだんだん短くなっていきます。10月末から11月 上旬は夜6時過ぎには暗くなりますが、彗星は夜7時頃には低くて見えなくなってしま います。11月中旬以降は、夜6時半から7時の間の、ほんのわずかの時間だけしか見 られません。 また、彗星観望に月明かりは邪魔になります。夕空に月がない、満月から新月に かけての時期が観望好期です。

STEP 3 見つけかた
夜空の暗いところならば、肉眼でも見えるかもしれないヘール・ボップ彗星 ですが、双眼鏡でいきなり見付けようとしても初心者には無理です。幸いヘール・ ボップ彗星の近くに木星があるので、これを最初の目標にします。あとは、目印 になる星をたどっていけばヘール・ボップ彗星を見付けることができます。 詳しくはヘールボップ彗星の見つけかたをご覧く ださい。

STEP 4 見えかた
双眼鏡で見たヘール・ボップ彗星はおよそこんな感じです。ぼんやりと雲のよう に広がって見えます。天体写真のように派手な姿が見えるわけではありません。 写真は長時間かけて露光できるのですが、人間の目にそのような仕組みはありま せん。あまり期待し過ぎてはいけません。ただし、4億km(光でも約20分の距離) 彼方の巨大彗星の生の姿を見ているのです。じっくり鑑賞してください。よく見 れば、わずかに彗星の尾が延びているのが見えるかもしれません。
また、彗星の付近には、似たような見えかたをする天体 -散光星雲や球状星団- が多いので、位置をよく確かめましょう。特に、この秋はヘール・ボップ彗星より も暗い7.5等級の球状星団M14がずっと近くにいますので、間違えないようにしま しょう。


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