時をさかのぼること1610年、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイは 自作の望遠鏡を木星に向け、周りを回る4つの衛星を発見した。 彼はこの4大衛星の運動から地動説の確信を深めたという。 これら4大衛星のことを「ガリレオ衛星」と呼ぶ。
明るさは約6等級で、7倍以上の双眼鏡や小望遠鏡でもよく見える。 ふだんでも、これら4つの衛星がくるくると木星を回るようすはおもしろいが、 さらに6年ごとに衛星同士が相互に隠したり隠されたりする 「相互食」と呼ばれる珍しい現象を見ることができる。
今年はちょうどその6年目にあたり、しかも木星が天頂高くに見えるため、 またとない観望の好期だ。双眼鏡や比較的小さな望遠鏡でも 見やすいと思われる日をピックアップしたので、ぜひ見てみよう。
食は短いもので約10分から長いものでは1時間のあいだで起こり、 ゆっくりと減光しながらまた明るくなるという現象が見られる。 なお表中のI、II、III、IVはそれぞれ、
をあらわす。
I イオ II エウロパ III ガニメデ IV カリスト
協力: 鈴木保治、相馬充(国立天文台)
(1)9月8日(月曜) III-E-II(皆既食) 減光量100%
食始 | 19時53.2分 |
食中心 | 20時 4.3分 |
食終 | 21時15.2分 |
(2)9月16日(火曜) III-E-II(部分食) 減光量96%(3.5等級)
食始 | 0時 0.5分 |
食中心 | 0時 9.7分 |
食終 | 0時18.8分 |
食始 | 18時13.1分 |
食中心 | 18時45.1分 |
食終 | 19時11.4分 |
食始 | 18時58.1分 |
食中心 | 19時02.7分 |
食終 | 19時07.3分 |
食始 | 17時34.0分 |
皆既始 | 17時38.0分 |
皆既終 | 17時40.2分 |
食終 | 17時44.2分 |