■NGC2359/伊藤明彦(大分県日田市)
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 ●おおいぬ座の星雲ですが、ウォルフ・ライエ星という大質量星が噴き出したガスによって形成された星雲です。おもしろい形です。 
       
        タカハシBRC250(口径250mm焦点距離1268mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 ビットランBJ31L タカハシNJP+オートガイダーST5Cにて恒星時追尾 2001年11月21日23時55分から総露光時間255分(L10分×22、RGB各5分×2〜3
      2×2ビニング) トーカイタイプΓ元感Γ教騎鎧��ぢ色分解用フィルター+トーカイLPSP1赤外カット キヤノンBJF850にてプリント 大分県日田郡天瀬町馬原にて 
       
        
        ★NGC2359はわし星雲の南、いっかくじゅう座とおおいぬ座の境界付近に位置する視直径8’ほどの小さな散光星雲です。伊藤さんはこの小さな星雲をクローズアップで捉えていて迫力のある作品に仕上げています。中心星であるウォルフ・ライエ星から噴き出したガスが造る球殻状の構造や淡いガス星雲の描写など見事です。 
     
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    ■春の渦状銀河3態/室谷周良(東京都練馬区)
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 ●春の夜空にはたくさんの渦巻銀河がみえますが、そのなかでもあまり知られていないが美しいものを選んで撮像してみました。 
       
        
      旭精光製口径350mm焦点距離1800mm反射望遠鏡にて直焦点撮影 SBIG・ST6 旭精光SE・PWS赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 2002年1月12日01時25分16秒から総露光時間各23分(L3分、R5分、G7分、B8分) トーカイタイプIII 3色分解用フィルター 赤色巨星観測所にて 
       
        ★どれも10等級、視直径7’ほどの小さな銀河ですが、美しい渦状の構造がよくわかり見事です。これからもマイナーな天体を読者の皆さんに紹介してあげてください。 
     
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    ■IC1805とIC1848/久保田宏(東京都稲城市)
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 タカハシε250C(口径250mm焦点距離854mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 マミヤRZ67 タカハシJP赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 コダックエクタクロームE100Sを+1増感現像 2001年9月23日00時24分から70分露光と10月13日23時26分から65分露光の2コマを合成 フジピクトログラフィー3000にてプリント 乗鞍岳畳平にて 
       
      
        ★カシオペア座に位置する大型の散光星雲2対をそれぞれクローズアップで撮影し、パソコン上でモザイク結合した作品です。ε光学系は像面湾曲が大きいため結合には苦労されたことと思いますが、その甲斐あって解像力の優れたすばらしい作品に仕上がっています。 
     
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    ■〜丘の上
    ひとり〜/加藤詩乃(愛知県瀬戸市)
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 ●5歳か6歳のある夏、家族で八ヶ岳の牧場にでかけた 
       
      夜、父と見上げた夏の空 
      あれが彦星、こっちが織り姫星 
      はじめて覚えた星の名前 
      ロマンティストの父は、恥ずかしげもなくひどいだみ声で「家路」を歌い 
      全共闘時代の思い出話を幼い娘にとつとつと語った 
       
      父は天文に造詣があったわけではない 
      ましてや母は外に出るのも嫌がる人だった 
      まさか娘が。こんな風に一人で星を撮影しに山へ出かけるようになるなんて 
      夢にも思わなかったことだろう 
       
      いま、私はこうして山にやってきている 
      誰もいない丘の上でひとり、満天の夜空を見上げている 
      父と星を眺めることは、たぶんもう二度とない 
       
      けれど、私の星の原点は、父と見上げたあの夏の夜 
      父はそんなこと、覚えていないと思うけど・・・ 
      幼い頃見上げた星空を、きっと私は忘れない 
         
        
      SMCタクマー67・55mmF4.5広角レンズ開放 ペンタックス6×7 固定撮影 コダックエクタクロームE200を+2増感現像 2001年11月18日03時20分から55分露光 長野県下伊那郡しらびそ高原にて 
       
      
        ★加藤さんの記憶に刻まれた星景色なのでしょう。画面中央の休憩所や木々のシルエットをうまく取り入れ画面をうまく構成しています。星々の軌跡も力強く満天の星空を髣髴させますが、バックグランドが明るくなりすぎてしまいました。星々の数が減ってしまうかもしれませんが、もう一絞り絞るとさらによかったと思います。 
     
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    ■オーロラ爆発?/菅野博信(福島県伊達郡国見町)
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 ●頭上に出現した「花」とも「爆発?」とも思えるオーロラ。僅か数分のうちに真っ赤な色に変わった。何回か見てきたオーロラの中でもこのような姿は初めて。オーロラが明るくオーバー気味なのが残念。 
       
        
      28mmF2.8広角レンズ開放 ペンタックスZ5P 固定撮影 コダックポートラ800 2001年12月12日23時30分頃(現地時間)から各3秒露光 スウェーデン・イエリヴァーレにて 
       
      
        ★太陽の活動期も終極に近づいてきましたが、菅野さんはそんな中すばらしいオーロラの姿を捉えました。オーロラ自体の明るさにくわえて、短時間露光で撮影したため時間分解能があがり刷毛で掃いたようなディテールが再現できています。それにしてもダイナミックで見事なオーロラです。 
     
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