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この秋に肉眼彗星になると期待されている C/1996 Q1(タイバー彗星)は、
その軌道の形が1988年に出現した C/1988 A1 = 1988a(リラー彗星)と酷似
していることが分かった。
村岡健治氏の計算による2つの彗星の軌道要素は次のとおり。
C/1996 Q1 (Tabur) | C/1988 A1 (Liller) | 差 | |
T | 1996 Nov. 3.50554 | 1988 Mar. 31.11468 | 8年7カ月 |
Peri. | 57.36808 | 57.38768 | 0.01960 |
Node | 31.41700 | 31.51546 | 0.09846 |
Incl. | 73.35443 | 73.32236 | 0.03207 |
q | 0.8401023 | 0.8413341 | 0.0012318 |
e | 1.0 | 0.9965634 | 0.0034366 |
2つの軌道要素は、近日点通過時刻を除いて、角度要素は 0.1°、近日点距離も 0.001AU の桁までが一致している。 そのため、この2つの彗星は、前回の回帰の際に分裂したものと思われる。 リラー彗星の軌道要素からは、周期は約3000年ほどになる。
ちなみに1988年にも、同じように分裂したと思われる2つの彗星が出現した。 C/1988 F1 = 1988e(レビー彗星)と C/1988 J1 = 1988g(シューメーカー・ ホルト彗星)である。この2つの彗星は、ほとんど同じ軌道上を3カ月弱の間隔を おいて動いていた。