【1998年6月27日 IAUC 6954】
6月27日(土曜日)の夕方から夜中にかけて日本各地で突発的な流星群が目撃された。
梅雨のさ中で全国的に悪天候が広がっていたが、一部の地域では晴れ間が広がり、ゆっくりとした明るい流星がたくさん流れる様子が捉えられた。 福島県では、全天の8割から9割を雲が覆っているなか、1時間あたり40〜50個という、8月のペルセウス座流星群に匹敵する活動が見られたと言う。
この突発流星群出現の情報は、インターネットやパソコン通信を通じて、その夜のうちに日本中に流れ、夜中にも関わらず「こちらでは曇っている」「あちらではたくさん見えたようだ」等のやりとりが盛んに行われた。
流星の輻射点はうしかい座頭部、もしくはかんむり座の辺り。 この時期には毎年定常的に活動する流星群はないが、今回の突発出現は、ポン・ウィンネッケ彗星に関連したものだという説がある。 ポン・ウィンネッケ彗星関連群は、母彗星が地球軌道と交差した今世紀初頭の1916年、1921年、1927年の3回、1時間あたり100個を越える突発的な大出現を見せたというもの。 しかし、現在は母彗星が地球軌道のはるか外側に遠ざかってしまい、この流星群も休止状態になっている。
流星群出現の様子(想像図)
ポン・ウィンネッケ彗星と地球の軌道