薄明が迫る中、昇ったばかりの秋の球状星団を追いかける。まずはいて座のM55。M54の東約45'にある。まばらなタイプなので望遠鏡で中心部まで星に分解して見える。M55の北東約11゚にはM75。小型で密集度が高いので、円形の星雲状にしか見えない。M72はやぎ座α星の東約35'にある小型の球状星団。望遠鏡で小さな丸い星雲といった感じ。そのM72の東約1.5゚にある散開星団がM73。ただし4個の10〜12等の星があるだけだ。球状星団M2とM15は明るいので問題ないが。低空のM30は最大難関と言えるだろう。
M2は、みずがめ座β星の北約5゚にある球状星団。ファインダーで星雲状。望遠鏡で周辺部が星に分解する。M15は、ペガスス座ε星の北西約4゚にある球状星団。高倍率で明るく輝く核の周辺が星に分解する。
最大難関のM30は、やぎ座のγ星の南約7゚にある球状星団。明るいが小さいため、倍率を上げても丸い星雲状にしか見えない。薄明の中でこのM30が見えるかどうかがマラソン完走の鍵を握る。ただし、ここまでパーフェクトにこなしてきていた場合にだが……。