キヤノン EOS Kiss Digitalによる馬頭星雲、オリオン大星雲
キヤノン EOS Kiss Digital + オリオン NA130
- タイトル:
- (1枚目)「光害地での馬頭星雲」
- (2枚目)「Hαフィルタを使った光害地での馬頭星雲」
- (3枚目)「オリオン大星雲」
- 撮影者:
- 森 栄二
- 撮影日時:
- (1枚目)2005年1月12日 20時30分〜21時0分、露出 6分×3枚
- (2枚目)21時0分〜22時0分、露出 3〜6分×8枚
- (3枚目)19時30分〜20時30分、露出 2分 + 4分 + 6分×2枚
- 撮影地:
- アメリカ合衆国カリフォルニア州 自宅裏
- 撮影機材等:
- (共通機材)米国オリオン NA130(ビクセンOEM、ネオアクロマート)、キヤノン EOS Kiss Digital(IR除去改造、センサー裏に放熱シートと放熱板)
- (1枚目機材)光害防止フィルタ×2枚、アストロノミック IR-UVカットフィルタ、モノクロ用ダークレッドフィルタ
- (2枚目機材)アストロノミック Hαフィルタ、光害防止フィルタ、アストロノミック IR-UVカットフィルタ
- (3枚目機材)光害防止フィルタ、アストロノミック IR-UVカットフィルタ
- (共通処理)Registaxにて合成後、GIMPにてトーンカーブ修正(、2枚目はモノクロ変換)、ニートイメージにてノイズ低減
- 撮影者コメント:
(1枚目)米国オリオンで扱っているNA130を手に入れ、馬頭星雲を撮影してみました。撮影場所は、オレンジ色の外灯のある自宅の裏で、筒から露が滴り落ちるくらい湿度が高く、透明度はあまりよくありませんでしたが、改造EOSとフィルタでなんとか馬頭星雲を写すことができました。
(2枚目)比較的安い値段で売られているアストロノミック(ドイツ)のHαフィルタ(13nm)を手に入れて、馬頭星雲を撮影してみました。撮影時は湿度が高く、光害と湿気のため空もオレンジ色がかっていたのですが、それでも馬頭星雲を撮影することができました。
(3枚目)改造EOSはHα領域の感度が高くなり、露出2分でも中心部が潰れてしまいます。使っている光害防止フィルタは青っぽくなるのですが、改造EOSは赤っぽくなるので、組み合わせるといい感じの色になります。
ビクセンのNA130を初めて本格的に使ってみたのですが、解像度も十分でなかなか楽しめそうです。アクロマートということで色の滲みを危惧していたのですが、ほとんどわかりません。フィルタなしで月の高倍率で観測すると、たしかに青のシフトが気になりますが、天文用UVフィルタを使うと気にならなくなります。
後で気付いたのですが、屋根にオリオンが隠れそうだったので急いで撮影したのですが、ピントが若干合っていないようです。ガイドも甘く、多少星が流れていました。撮影した1枚(2分)に飛行機が入っていました。
- 改造について:
手元にあったEOSを改造して、IRフィルタを外しました。改造の際、CMOSセンサー裏面に厚めの放熱シートを貼り、そのままボディ下部に接触させました。さらに、ボディには三脚用のネジを利用して大型の放熱板を取り付け、赤かぶりノイズを下げることに成功しました。ボディをペルチエ等で冷やせば赤かぶりももっと下げられそうですが、ISO 1600、10分程度の露出でもほとんどわからない程度に下がったので、そこまではやっていません。
この改造で、赤かぶりは改造していない20Dよりもはるかに少なくなりました。IR除去改造を施したEOSは、驚くほどHα領域の感度が上がっています。4、5倍位は感度が上がっているようです。