星ナビ編集部とJPSが共同で全国の火星イベント情報を集約、情報提供を開始

●ポイント

• 火星は2005年秋に約2年ぶりに地球と接近している。火星接近にちなんだ各種イベントが、全国各地の天文施設で企画されている。
• 株式会社アストロアーツ・星ナビ編集部とJPSは、初の試みとして、火星関連イベントの情報を共同で収集・集約した。それぞれのもつメディアで、全国的に利用可能な情報提供を開始した。

●概要

　火星は2005年秋に約2年ぶりに地球と接近しており、深夜の夜空で非常に明るく輝きひときわ目立っている。10月30日には地球との距離が約6900万kmの最接近となる。最接近距離が6万年ぶりの超大接近などと言われた前回2003年8月の火星接近と比べると、接近距離は前回には及ばないものの、今回の接近時期には火星の地平高度が高くなることや、日本の多くの地域で比較的晴れやすい時期にあたるなど、火星を見るための諸条件は前回を上回る面もある。

　日本各地のプラネタリウムや公開天文台など天文関連の施設では、ふたたび接近した火星への関心の高まりに応えるため、施設ごとに独自の企画を打ち出している。雑誌『月刊 星ナビ』（＊１）を発行する株式会社アストロアーツは、賛助会員として所属するプラネタリウムの全国団体JPS（＊２）と共同で、全国各地で開催される火星関連イベントの情報を収集・集約し、それぞれのもつメディアで一般への情報提供を開始した。

　現在発売中の『月刊 星ナビ』2005年11月号では、今回の火星接近を特集しており、その中で全国各地の火星接近に関連したイベント情報を掲載している。また、星ナビのウェブサイト『星ナビ.com』でも、各施設の概要とリンクする形で情報提供を開始した。一方JPSでも、ウェブサイトで地域などの条件からイベントを検索できる形で情報提供が開始された。

●背景

　株式会社アストロアーツ・星ナビ編集部では日頃より、火星に限らず全国から常に天文関連イベントの情報提供を受け付けており、月刊誌とウェブサイトに掲載し続けている。またJPSは、前回の2003年火星接近や、2004年の金星の太陽面通過の際に、全国の会員館よりイベント情報を収集しウェブサイトで情報提供をした実績をもつ。星ナビ編集部とJPSは、互いに連携することでより網羅的に火星接近に関連したイベント情報を収集・集約できるものと考え、この共同企画を立ち上げた。この企画は、星ナビ編集部とJPSとが連携して情報収集にあたった初の試みである。

　日本には一般向けの天文関連の施設が数百あり、中には大型の天体望遠鏡を備える施設も多く、火星接近を誰もが楽しめる環境にある。しかしながら各施設で企画されるイベントの事前広報は、地元の広報媒体や公式ホームページでの情報発信が中心で、「どこへ出かければ火星を見られるのか？」等の利用したい者のニーズに応えるような、わかりやすく集約された情報はなかった。施設ごとに打ち出されている今回の火星接近に関連したイベント情報は、天体観望会、プラネタリウム番組、講演会など多岐に渡るが、この共同企画によってそれらが初めて網羅的に整理され全国的に利用できる形になった。また情報収集にあたっては、国内にあるJPS以外のプラネタリウム組織である、全日本プラネタリウム連絡協議会と、日本プラネタリウム研究会の協力も得た。

　星ナビ編集部とJPSは、多くの人に宇宙・天文の魅力を伝えたいとの共通の思いがある。「いつ、どこへ行けば、どんなことをやっているか」という具体的な情報を、雑誌とウェブという全国的なメディアに掲載し、誰もが閲覧できるようにしたことで、火星接近をきっかけに実際に天体望遠鏡を覗く、あるいはプラネタリウムに行く、といった人が増えることを期待している。

●用語の解説

＊１　月刊 星ナビ

株式会社アストロアーツ発行の月刊誌。2000年11月創刊、毎月５日発売。2005年１月号（創刊50号）で誌面をリニューアルし、天文現象の解説や全国の天文関係のイベント情報を充実させた。公式ウェブサイト『星ナビ.com』でも関連情報を掲載し、プラネタリウムや公開天文台へのお出かけを総合的にサポートしている。株式会社アストロアーツは、JPSの賛助会員である。

＊２　JPS　Japan Planetarium Society（日本プラネタリウム協会）

プラネタリウム館や関連団体、個人、企業などが会員として加盟している国内最大のプラネタリウム組織。10月18日現在、正会員87館、賛助会員（個人）70名、賛助会員（団体）25団体。地域ブロックごとの研修会や年1回の大会を開催するほか、機関誌『Twilight』の発行、『プラネタリウム白書』の編纂、JPSウェブサイトの運営等、国内のプラネタリウムの活性化のために様々な活動を行っている。

●関連記事

月刊 星ナビ

• 2005年11月号 特集記事
  「パオナビ火星スペシャル　火星イベントの歩き方」

●本件に関連するウェブページ

• 星ナビ.com　火星大接近2005　関連イベント情報
  http://www.hoshinavi.com/pao/mars2005/index-j.shtml ※公開は終了しました。
• JPS　火星イベント情報2005
  http://planetarium.jp/pub/event/mars2005/index.html

●本件に関連する研究発表

全国プラネタリウム大会・大阪2005（2005年7月12日〜14日）

• ポスター発表 「星ナビとプラネタリウム」

  星ナビ編集部（株式会社アストロアーツ）