【1998年6月11日 NASA】
棒渦巻銀河NGC4314の中心部に星形成領域がリング状に連なっているのをハッブル宇宙望遠鏡が鮮明に捉えた。NGC4314は、かみのけ座にある銀河で地球から4000万光年の距離にある棒渦巻き銀河。
このNGC4314の核の周りに星間ガスがレンズ状に取り巻いている。このガスの縁の部分に誕生してから500万年未満の恒星が密集し直径2000光年の光のリングを作り出している。青白い点1つ1つが数万から数十万個の恒星が集まった星団で青みがかった紫色の塊の部分は生まれたての恒星からなる星団だ。
またこのリングの両端から伸びている腕状の部分も青い恒星が密集しており、その年齢は2億年未満と見積られている。
銀河の中心部に多量の星間ガスが存在するのは珍しい事ではないが、この銀河のように大規模な星形成領域が存在しているのは大変珍しい。NGC4314はこのような銀河の内で最も近いところにあり、銀河内の星形成を研究するうえで貴重なサンプルとなる。
左)地上の望遠鏡で捉えたNGC4314。中央の四角い部分が右の画像の領域。
右)NGC4314の中心部の拡大。中央の明るい核を取り巻く黒い筋状の部分は星間ガスが密集している部分。それを取り巻くように星形成領域がリング状に連なっている。このリングの両端から伸びている腕状の部分にも若い星が密集している。
□ニュースリリース
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/21/