新機能のオートストレッチで
天体写真のカラーバランスを整える

オートストレッチプロセスとは

モノクロ冷却CCDカメラによる撮影では、通常RGBの3色のフィルターを切り替えながら撮影を行い、画像処理の段階でカラー化を行います。しかし、フィルターの露出倍数やCCD自体の感度特性などが複雑に絡み合い、撮影した画像をそのままカラー合成しただけでは、バランスが崩れてなかなか正しい色が表現できません。「オートストレッチ」は、RGB各チャンネルのヒストグラムの最小値とその広がりを整えることで、安定した色表現をめざす処理プロセスです。

このプロセスを実装したはじめてのアプリケーションが、2009年に僕が開発した“AutoStretch”です。このソフトはWindowsスクリプトでMaxIm DLを外部からコントロールする方法をとっていましたので、処理の結果がすぐに確認できないなど、操作が煩雑になる部分がありました。それが今回「ステライメージ7」に実装されたことにより、リアルタイムプレビューが実現するなど、かなり使いやすいものに進化しています。ぜひこの記事を参考に、活用していただければと思います。

なおこの記事は、モノクロ冷却CCDカメラとフィルターを使った撮影画像からカラー画像を作ることを想定して書いていますが、デジタル一眼レフカメラなどでも同様な処理ができますのでぜひ試してみてください。