M33
(さんかく座の銀河)
解説
アンドロメダ座の隣の小さな星座であるさんかく座は、このM33のおかげでよく知られています。その広がりは満月の倍ほどもあるひじょうに立派なものです。またM31が我々から見て横向きに近いのに対して、M33は銀河円盤部が地球に対してほぼ正面を向いているため、特に写真では大きく広がった2本の腕が見事に写り、迫力があります。しかし、明るく大きいという数値データから期待して望遠鏡をのぞくと、予想外に淡くとらえどころのないイメージにがっかりします。
見つけ方
さんかく座は小さいですが、形が特徴的で意外に見つけやすい星座です。M33は、この三角形の頂点のα星と、アンドロメダ座β星を結んだ線上で、ややα星よりの位置にあります。ちょうどアンドロメダ座β星をはさんでM31と対称の位置にあるので、それで見当をつける方が簡単です。さんかく座α星(3.4等)からは19.1m西、1°4′北、アンドロメダ座β星(2.1等)からは24.2m東、4°58′南です。空の良いところでは、ファインダーでも大きな光のシミが見えます。
双眼鏡
7x50の双眼鏡では満月よりもやや大きい楕円形の光斑として見ることができます。しかし、空の透明度が良くなかったり、光害があったりする空ではまったく見えません。M33の見え方は、空の条件を判断するひとつの尺度となります。
10cm
とにかく淡く、倍率を上げていくと見えなくなってしまいます。ですからできるだけ低倍率で観察することが大切です。25倍程度でも、なんとなく2本の腕の形がわかります。20×120や25×150といった大口径双眼鏡なら、誰にも明瞭に見えて感動できるのですが…。
20cm
一般的には口径が大きくなると、焦点距離が長く、倍率が高くなるので、淡い対象の観望はつらくなります。しかし、集光力の大きさが幸いし、60倍程度で2本の腕がわかるようになります。
30cm
さらに淡い腕の部分が見えるようになり、好条件下では写真のようなイメージを味わうことができます。