メシエ天体ガイドM51
(りょうけん座の銀河:子持ち銀河)

M51M51 Map

  • M51(NGC 5194+NGC 5195) りょうけん座/銀河(Sc)
  • 赤経 13h29.9m 赤緯 +47°12′
  • 等級 9.0等 視直径 11′×8′ 距離 2,100万光年

解説

大小2つの銀河がつながっているため、子持ち銀河という名前がつけられた有名な天体です。写真では、M51のきれいな渦巻きの1本の腕の先に、小型の銀河(NGC 5195)がぶら下がっている姿がひじょうによくわかりますが、小口径望遠鏡でそこまで見るのは難しいでしょう。ハッブル宇宙望遠鏡の観測でM51の腕に広がる活発な星生成領域が見つかっていて、NGC 5195の重力による影響だと考えられています。またM51本体では超新星1994I、超新星2005cs、超新星2011dhが、NGC 5195では超新星1945Aが見つかっています。

見つけ方

おおぐま座の北斗七星のひしゃくの柄の先端に位置するη星から、りょうけん座α星(コル・カロリ)の方向に3.5°の位置にあります。おおぐま座η星、りょうけん座24番星、M51が、24番星を頂点とする偏平な二等辺三角形を作ることを目印にすると見つけやすいでしょう。ただ、淡いのでファインダーでは難しいでしょう。おおぐま座η星(1.9等)からは17.6m西、2°7′南です。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では淡いごく小さな円盤状のイメージが観察できます。好条件の下でないとひじょうに見にくいでしょう。10×70の双眼鏡を三脚に固定して、じっくりと観察するとNGC 5195が小さな光斑として隣接していることがわかります。

10cm

60倍程度で、中心が明るいM51の円盤像とNGC 5195の光斑が明瞭にわかります。100倍程度に倍率を上げると、空の条件がひじょうに良いときに、M51の円盤像の中の濃淡が見えて、腕が広がっているイメージを感じられるようになります。

20cm

100倍くらいで観察すると、M51の大きな腕が見え、それがNGC 5195につながっていることがわかります。またNGC 5195の光斑にも濃淡があることがわかり、写真のイメージを淡くしたような感じに見えてきて、興味深い眺めです。しかし空の状態が少しでも悪いと、それぞれの銀河の核の部分しか見えなくなってしまいます。

30cm

腕がひじょうに明瞭に見え、写真で見る子持ち銀河のイメージ通りとなり、実に感動的です。