M77
(くじら座の銀河)
解説
くじら座は大きな星座ですが、メシエ天体はこのM77しかありません。ともすれば忘れられがちな存在ですが、実はメシエ天体でも最大級の17万光年という直径を持つ巨大な銀河です。さらに、銀河の中心核から宇宙ジェットを噴出するなど、活動性の高い代表的なセイファート銀河で、強い赤外線を放射しています。
見つけ方
有名な脈動変光星ミラ(ο星)の北東にあるδ星の約1°東南に位置していますが、ミラは変光星であり肉眼では見えない時期があるので、くじら座α星、γ星、δ星で作る三角形からの探し方を覚えておいたほうが確実です。α星(2.5等)からは19.7m西、4°6′南で、δ星(4.1等)からは3.1m東、21′南です。ファインダーでは位置さえわかりません。
双眼鏡
7×50の双眼鏡で注意深く探すと恒星状であることがわかりますが、見慣れないと周囲の微光星と区別するのは難しいでしょう。
10cm
60倍で、周囲がわずかににじんだような恒星状のイメージに見えます。これは、中心核が特に明るくよく目立っているためで、空の条件が良いところでもう少し倍率をあげて観察すると、周囲の淡い渦巻の部分がかすかに見えてきます。
20cm
周囲の渦巻部分はかなり淡いものの、ほぼ円形の光芒として見ることができるようになります。中心核は明るくしっかりした印象です。さらに大口径になると、渦巻の部分の濃淡が観察できておもしろくなってきます。35′北北西に11等級の渦巻銀河NGC 1055があります。これはM77並みの大きさですがひじょうに淡いため、空の条件が良くないと見えません。さらにM77の1°東にもNGC 1087とNGC 1090という12等級の淡い渦巻銀河があります。