- 徳間書店
- 30.6cm×22.8cm
- ISBN 978-4-19-860782-1
- 価格 1,680円
本書が米国で出版されたのは1996年のことだが、その内容はまるで世界天文年2009にあわせて用意されていたかのようだ。旧チェコスロバキアに生まれプラハやロンドンの美術学校で修業を重ねてからアメリカに移住し、アニメーションの専門家として名声を得ている著者のすばらしい、また美しい絵本である。1996年から97年に米国図書館協会の推薦や、サイエンティフィック・アメリカン子供部門賞などを獲得している。
子供向きではあるが、親子一緒に本書を読めば、ガリレオという科学者が科学史ばかりでなく人間の発展に果たした役割が、広く行き渡るのではないだろうか。これは単なる絵本ではない。「自分が信じたいことだからといって、なにも考えずにうのみにするのはおろかなことです。なぜ、みずから考え、判断する自由を放棄し、わたしと同じようにあやまちをおかすおそれのある他人にたよらなければならないのでしょうか」「自然科学の問題(自然の摂理)を論じる時、書物に記されていることすべてが正しいと思い込まずに、実験や観測で直接たしかめ、すじみちたてて考えなければなりません」など、大人が読んでも深く考えさせられる多数のメッセージが含まれている。
ガリレイの業績と生涯がとても丁寧に説明されているので、ぜひ心ある大人の方にお読みいただき、お子さんにプレゼントしていただきたい。