- 創元社
- 四六変型版、142ページ
- ISBN 978-4-422-21200-5
- 価格 1,575円
先に同じ著者によるニュートンの本をご紹介したが、ともかくこの双書は、表紙に「絵で読む世界文化史」と表紙に(なぜか)読みにくい小さな文字で記されているように、もったいないくらい素晴らしい写真があふれている図鑑である。1610年1月7日に木星の衛星を発見した望遠鏡の割れた対物レンズとか、その衛星の動きを計算するためにガリレオが作った、今だったら特許もののジョヴィラーベ(木星衛星早見図)、砲弾発射仰角・火薬量計算用コンパス、斜面実験の装置、ピサの斜塔最上階からの眺め、ガリレオが多分使ったアストロラーベ、ガリレオの仕事場、自宅外観など、大変な写真ばかりだ。また、ガリレオが関わった数々の名場面を描く絵画もふんだんに掲載されている。
確かな科学史をバックにした解説文も詳細で正確だが、ともかくこの本はヴィジュアルにつきる。百聞は一見にしかずというか、写真や絵画が内蔵する豊富な情報量というか、ともかくすごい本だ。ぜひ2009年の世界天文年(ガリレオの望遠鏡天体観測開始400周年)を記念してお読みいただき、ガリレオの偉業に思いをはせていただきたい。