- 日刊工業新聞社
- A5判、159ページ
- ISBN 978-4-526-05935-3
- 価格 1,547円
トコトンやさしいとあるからといって、誤解されないように。太陽に関して興味や関心がある大人のための本だ。中身の水準は高く、数式・化学式がほとんどないだけ。とくに本書の真価は、第5章「太陽エネルギーの利用」と第6章「人口の太陽を創る」にある。著者が原子力(特に核融合)の工学博士であるだけに、この部分だけでも拡充して一般書として出版してほしいほどの出来栄えだ。第3章「太陽からの贈り物」では、人工的な地球温暖化議論がはやっている中、太陽活動の低下による寒冷化を取り上げていて、注目される。それを受けての第7章の展開も、ぜひ多数の読者に知っていただきたいことだ。
コラムが飛びぬけて面白い。太陽にまつわる雑学集で、評者は言われて初めて日本とバングラデシュとパラオの国旗を眺めてしまった。みなさん、図鑑で見てみましょう!さまざまなエピソードが掲載されているところに、著者のこだわりが感じられて楽しい。