- エクスナレッジ 刊
- 19.6 x 13.5cm、286ページ
- 2014年6月
- ISBN 978-4-7678-1793-4
電車で出かけるときは必ず書評執筆用の本を片手に、が最近の筆者の習慣になっている。その際、カバーはしない。向かいの席の人を密かに観察するためだ。本書のような表紙だと特に女性などは、探偵小説か、スピリチュアルの単行本かとでも探るように視線をこちらに注いでいる。それを確かめるのも車内読書の密かな楽しみだ。だが残念でした。本書はれっきとした科学書で、しかも世の中がこれほど変わったということを実感させる、まぎれもない未来の本なのだ。
エアロ・キャプチャー、エアロ・ブレーキング(いずれも訳語無し)、惑星間タクシー、サイクラー(循環航路)、インフレータブル構造体、USSE(戦略的宇宙事業連合)、グローバル・スペース・トラベラー、STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学の教育)、ハロー軌道(ラグランジュ点を巡る軌道)、テレロボティックス(遠隔ロボット操作)などなど、筆者が初めて本書で知った用語がずらり。100シートのメモ帳を複数冊、1.0(老眼で細いのが見えにくくなったため)のボールペンも数本使い切り、雑学天文大百科(金井三男のこだわり天文夜話の種本:市販せず)の内容が大幅アップした。
このようなわけで、本書はこのコーナーで取り上げられるべき夢あふれる本である。著者はあのアポロ11号のオルドリン宇宙飛行士だ。