惑星探査機ガリレオがイオに接近
【1999年10月12日 NASA Today】
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木星をまわるNASAの惑星探査機ガリレオが10月11日、太陽系でもっとも火山に覆われている星といわれるイオの表面から611kmの至近距離にまで接近、フライバイと同時に数々の貴重なデータを取得することに成功した。これほど探査機がイオの表面に接近したのは今回が初めて。 (左図)ガリレオによって最近撮影されたイオ表面の一コマ。 |
この計画はガリレオ探査機の4年間にわたる探査のフィナーレを飾るものとして実行された。イオは星全体が火山性の星で、木星からのみならずイオ自体からも強力な放射線が放出されている。この放射線がガリレオ探査機の機能を破壊する可能性が懸念されていたが、火山についての自然の実験室といわれるイオは接近は貴重なものであり、危険を冒す価値が認められたのである。
実際、今回の最接近の直前に放射線による障害が発生したが、ガリレオ探査機のオペレーションエンジニアによって迅速な復旧措置がとられ、最接近時での観測を成功させた。フライバイ中に観測されたのは、イオの表面の化学組成や温度、重力、磁力特性などである。
これらのデータは今後数週間かけて地球に転送され、画像解析にまわされる予定である。結果が公表されるのは来月の見込み。今回の成功を受けて、ガリレオは今年11月25日、2度目のイオ接近を試みる計画が進められている。次回はイオからなんと300kmにまで近づく予定である。
<参照>・Galileo space probe flys by Jupiter's volcanic moon (CNN News)
・ガリレオ探査機の現在の位置