マーズ・グローバル・サーベイヤーによる最新カラー画像

【2000年5月10日 MGS MOC Release No. MOC2-225, 226 (2000/4/27)

NASAの火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)による最新カラー画像が公開された。


火星南極冠の夏

火星南極冠の夏

2000年4月17日、MGS搭載の火星軌道カメラ(MOC)による撮影。白い霜が広がっているが、この霜は、固体の二酸化炭素(ドライアイス)だ。二酸化炭素は-125℃程度で凍結することから、火星南極がいかに寒い世界かがわかる。火星南極冠は今、夏を迎え、霜の広がる範囲は最小になっており、この画像で左右に広がる範囲は420kmほど。画像では太陽光は左上からきており、その高度は地平線上11.2°程度に過ぎない。火星南極冠は2000年7月には秋を迎え、霜は再び成長をはじめる。そして2000年12月には冬に入り、霜はこの画像全体を覆い尽くすほどに成長する。

参照: MGS MOC Release No. MOC2-225, 2000/4/27 (英文)

画像提供=NASA/JPL/Malin Space Science Systems

冬のLomonosovクレーター

冬のLomonosovクレーター

2000年4月20日、MGS・MOCによる撮影。火星北半球は現在冬。その北半球に位置するLomonosovクレーターの縁は霜に覆われ、さらに低空には霧(画像下半分のクレーターの外の白いもや)、高空には雲(クレーター内部から画像右上に見られる弧状の白い縞模様)が広がっており、画像の大部分を不明瞭にしている。クレーター内部右側のやや黒っぽい部分は砂丘。このクレーターは直径約150kmで、北緯64.8°、西経8.8°に位置する。クレーターの名前は18世紀のロシア人化学者、Mikhail V. Lomonosov氏(1711-1765)にちなんだもの。太陽光は左下から、太陽高度は地平線上わずか12°。火星北半球は2000年7月初めには春を迎え、2000年12月には夏が到来する。

参照: MGS MOC Release No. MOC2-226, 2000/4/27 (英文)

画像提供=NASA/JPL/Malin Space Science Systems