火星に液体の水が発見された
【2000年6月21日 BBC News (2000/6/21)】
NASAの科学者達が、火星に液体の水が存在する証拠を得たと主張している。
数十億年前の火星に大量の水が存在していたという証拠は多数見つかっているが、今の火星は大気があまりに希薄であるため、液体の水は存在できない。だが大きな峡谷の底や大きなクレーターの内側では例外はありうる。
第1発見地点は、6,000kmに渡って延びるマリネリス峡谷の中心部。この領域の最低部は火星の平均標高より数キロも低く、火星で最も低い部分となっている。したがって、気圧がいくぶん高く、水が存在できる可能性がある。
NASAの科学者たちは、現在火星上空を周回中のNASAの火星探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS)」の画像の解析から、この領域に地下から塩水が染み出している証拠を発見した。ただし、これは同じ領域の全ての画像に見られるわけではないため、季節的な現象であるかもしれない。
このほか、別のグループが、他の領域の少なくとも2つのクレーターの壁面から水が染み出している可能性があるとしている。
今回の発見は、必ずしも驚異的なものではない。かつて火星上に広がっていた水は、いまでは地中に眠っていると考えられるからだ。だが、予期されていなかった発見であり、またとても喜ばしい発見だ。そしてこの発見は将来の火星探査の強力な推進剤になるだろう。
火星の濡れた地表に探査機を着陸させ、そこで生命を捜索することは、非常に高い優先順位を得るに違いない。