リニア彗星、近いうちに消滅か?!
【2000年7月31日】
7月22日から23日にかけて地球に最接近したリニア彗星(C/1999 S4)に劇的な変化があることが明らかになった。 IAUCによるとラ・パルマ天文台の7月27日の画像から、彗星の核が“引き伸ばされた”ように観測された。 その後もアメリカのハッブル宇宙望遠鏡を初め、同様の報告が続々と出され、点状の集光部が存在しなくなったことが判明した。 こうした状況は、彗星の核が完全に崩壊してしまったなどの可能性が高いことを意味する。
これまでの観測から、リニア彗星は1996年に発見されたタイバー彗星(C/1996 Q1)に似ていることがわかっている。 このタイバー彗星も1996年10月に今回のリニア彗星と同じような姿を見せており、このとき、タイバー彗星は約1か月で完全に彗星核が崩壊し、見えなくなってしまった。 こうしたことから、リニア彗星も同じようにあと少しで“いなくなってしまう”可能性が高い。
詳細はリニア彗星特集ページをご覧ください。
関連サイト:
国立天文台広報普及室
IAUC 7468, 7470, 7471