12/22日没前後、こぐま座β流星群に突発出現の可能性
【2000年12月19日 Science@NASA (2000.12.18)】
NASAの科学者であるPeter Jenniskens氏 (NASAエイムズ研究センター・地球外知的生命捜索研究所) と同僚のEsko Lyytinen氏が最近発表した論文 (PDF形式) によると、今年は12月22日に極大を迎える「こぐま座β流星群」が突発出現を起こす可能性があるという。
それによると、世界時12月22日07時29分 (日本時間16時29分) ごろ、地球はこぐま座β流星群の母彗星である「タットル彗星」(周期13.2年) が1405年の回帰の際に放出したダスト帯の中心から、月〜地球間距離の0.52倍という至近距離を通過することになり、その際、3〜4時間程度に渡って活発な流星群活動が見られると推測されるという。しかし、残念ながら日本からは日没直前であるため肉眼での観測はできない。(電波観測は可能)
続いて、世界時12月22日08時40分 (日本時間17時40分) ごろには、地球はタットル彗星が1392年の回帰の際に放出したダスト帯付近を通過する。こちらは、1405年のダスト帯に比べ約3倍の距離であるため、やや弱い活動となるだろう。さらに、世界時12月22日08時59分 (日本時間17時59分) には、多少不確かではあるが1378年のダスト帯に遭遇する可能性もある。こちらは、薄明もだいぶ弱くなったころであるため、日本からもなんとか肉眼で観測できるだろう。
こぐま座β流星群は、通常は1時間あたり数個程度の出現しか見られないが、1945年、1957年、1970年、1980年、1986年、1993年に突発出現が観測されている。突発出現の際の出現数は、1時間あたり50個程度にも達する。
流星群の出現予報はまだまだ確立されていない分野であるので、今回の予報が正しいかどうかについては何ともいえない。しかし、せっかくの20世紀最後の流星群であるので、ぜひ観測すると良いだろう。月明かりの妨害は一晩中無く、観測条件は最良である。だだ寒い時期なので、防寒対策に気をつけて欲しい。
画像提供: NASA
<関連リンク>