2MASSプロジェクト、赤外線による全天撮像を完了

【2001年2月27日 NASA RELEASE: 01-26 (2001.02.23)

「2ミクロン全天観測(Two-Micron All Sky Survey; 2MASS)」プロジェクトは、2月15日、赤外線による全天の高解像度撮像を完了した。このプロジェクトでは、南北両半球に各1基ずつ設置した口径1.3メートルの自動制御の赤外線望遠鏡により、1997年から3年半にわたり撮像を続けてきた。得られた画像データの量は、24テラバイト (CD-ROM約4万枚に相当) にも達し、プロジェクトでは今後2年かけてデータを整理する。

2MASSは、赤外線で全天を高解像度撮像しようという初のプロジェクト。赤外線は星間ガス雲を比較的透過しやすいため、これまで知られていなかった銀河面の向こう側にある系外銀河や、チリに覆われた活動銀河・クエーサーが発見された。また、恒星になれなかった低温の天体である褐色矮星も多数発見された。

このプロジェクトは、マサチューセッツ大学と赤外線処理分析センター (Infrared Processing and Analysis Center; IPAC) の共同プロジェクト。「オリジン計画」の一環としてNASAが大半の資金を出資しており、残りはアメリカ科学財団 (NSF) の出資による。

プロジェクトの一員であるRoc Cutri博士 (IPAC/NASAジェット推進研究所) によると、2MASSの望遠鏡システムはひじょうに高い稼動率を発揮し、1000夜以上の観測時間のうち、ハードウェアのトラブルなどで観測ができなかったのはほんの数夜だったという。そしてこれほど高い信頼性を示した観測システムは、地上の観測施設でも宇宙の観測衛星でも他に無く、特筆すべき記録だということだ。

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