太陽系外惑星11個発見 うち1個は地球によく似た条件
【2001年4月11日 ESO Press Release 07/01 (2001.04.04)】
スイス・ジュネーブ天文台他のメンバーから成る国際的な研究チームにより、新たに11個の太陽系外惑星 (いずれも土星や木星に似たガス惑星と考えられる) が発見された。これにより、これまでに発見された太陽系外惑星の総数は63個となった。
その中で、今回、地球にとてもよく似た軌道条件を持つ惑星が1つ発見された。この惑星は、太陽に似た恒星「HD28185」をめぐるもので、恒星からの平均距離1億5060万キロメートルのほぼ真円の軌道を、385日周期で公転している。これは、地球 (太陽からの平均距離1憶4960万キロメートルの軌道を365日周期で公転) とほとんど同じだ。
もっとも、この惑星は木星の3.5倍以上の質量を持つガス惑星であり、この惑星そのものには生命が存在する可能性は少ない。しかし、もしこの惑星に衛星があれば、そこに生命が存在する可能性がある。
そのほか、複数の惑星を持つ惑星系も新たに2つ見つかった。
なお、発見手法は、惑星の重力の影響による恒星の移動速度のわずかな変化を赤方偏移値の変化から検出する「視線速度法」による。発見に用いられた望遠鏡は、ヨーロッパ南天天文台ラシーヤ観測所 (南米チリ) に設置されているスイスの1.2メートル「レオナルド・オイラー望遠鏡」がメインで、そのほかフランスのオート・プロバンス天文台の望遠鏡や、ハワイ・マウナケア山頂の10メートル「ケック望遠鏡」も用いられた。