土星探査機カッシーニが捉えた、以前にも増して美しい土星のカラー画像

【2004年3月2日 JPL News Release

土星への着陸を4か月後の7月1日に控えたNASAの土星探査機カッシーニが捉えた、以前にも増して美しい土星のカラー画像が公開された。

(土星の画像)

探査機カッシーニが捉えた土星。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

この画像は、2月9日に土星から6940万キロメートルの距離からカッシーニが捉えたデータをカラー画像に合成したものだ。B環の厚みや外側のA環の半透明なようす、土星の大気が微妙に色の違う帯状になっているようすなどを鮮明に見せてくれている。

リングや大気の細かな特徴などの画像は、今後さらに接近するにしたがってさらにそのシャープさを増すことだろう。4月初めには、衛星タイタンも捉えられる予定だ。さらに、地球からの観測の解像度を超える5月末には、タイタンの動画撮影も開始される。また、探査機の高度が土星から2000kmに達する6月には、衛星フェーべの引力を利用したフライバイを予定している。

カッシーニの長かった35億キロメートルの旅も、まもなく目的地への到着の日を迎える。まず最初の4年間は軌道上での初期ミッション期間となるが、到着から6か月後にホイヘンス宇宙探査機が切り離されて衛星タイタンへ着陸すれば、タイタンに存在する液体メタンの海についての情報がもたらされることになる。リングを持つ土星の世界とその衛星の調査は、人類による太陽系探査の、重要な序章となるに違いない。