【天文ツアー情報】4月8日、パナマで超極細金環日食を見よう
【2005年1月17日 アストロアーツ】
世界時で4月8日(日本時9日)に起こる日食は、太陽の視直径と月の視直径がほぼ同じ時に起こる金環皆既日食(きんかんかいきにっしょく)で、皆既帯を挟んだ日食帯の両端で金環日食となるタイプの日食だ。金環皆既日食はきわめてめずらしく、20世紀後半の半世紀に起こった101回の日食の中で2回。さらに、今世紀前半に起こる110回中に6回しかない。
一般的に皆既日食や金環日食では、継続時間の長い方が好条件だが、金環皆既日食では月と太陽の視直径が同じで、継続時間がひじょうに短い特異な場所が興味深い。月縁(月の外周)には山や谷があり、月の谷間から太陽の光が漏れてくる全周ベイリービーズとなる可能性があるからだ。ベイリービーズ(Baily's Beads)とは、イギリスの天文学者ベイリーが1836年に見られた金環日食で、太陽の縁と月の縁が接する時、月の谷間から連なって漏れる光の点に気づき、これを記したことから名付けられた。
今回の金環皆既日食は、ニュージーランド南方の海上で金環日食として始まり、太平洋上で皆既日食へと変わり、中米のコスタリカ沖で再び金環日食となる。中米のパナマ西部では月の視直径が太陽の視直径よりもほんのわずかに小さいため、日食帯中心線上で食分0.998ほど、継続時間が15秒前後のきわめて細いリングとなる。第2接触や第3接触の前後では、月縁のかなり広い範囲にわたってベイリービーズ状態が見られる可能性がある。さらに、ここまでリングの細い金環日食では、肉眼ではむずかしいものの、写真ならコロナやプロミネンスも同時に撮影できる可能性もあり、まさに金環皆既という言葉どおりの光景を楽しめるかもしれない。ちなみに次の金環皆既日食は2013年だが、日食帯のほとんどが皆既日食になり、その次の2031年の金環皆既日食まで、今回のようなリングの細い金環日食が陸地で見られることはない。
パナマ金環日食観測ツアーと、ガラパゴス島&皆既日食クルーズ
このパナマに超極細の金環日食を見に行こうという観測ツアーと、ガラパゴス諸島から太平洋上に船で出て皆既日食を観測しようというというツアーが発表されているので紹介しよう。
中米パナマ&コスタリカ金環・皆既日食ツアー(主催:日通旅行・首都圏旅行支店)
まず「星ナビ」協力ツアーとして、日通旅行・首都圏旅行支店主催の「中米パナマ&コスタリカ金環・皆既日食ツアー 8日間」がある。観測地はパナマのダビッドで、金環の継続時間は約13秒と極めて細いリングで、第2・3接食前後にはかなり広い範囲でベイリービーズ状態が見られると期待される。
4.08パナマ金環日食観測と世界の十字路紀行(主催:阪急交通社メディア営業部)
また、阪急交通社メディア営業部主催の「4.08パナマ金環日食観測と世界の十字路紀行」は同じくパナマのペノノメで観測する。金環継続時間は約16秒とダビッドよりは若干長くなるが、パナマ運河観光なども楽しめる。
ガラパゴス諸島と皆既日食クルーズ(阪急交通社メディア営業部)
さらに、阪急交通社メディア営業部の手配旅行として、エクアドルの首都であるキトを起点に、空路でガラパゴス諸島へ渡り、ここからクルーズを楽しみながら皆既日食帯に入るという「皆既日食ガラパゴスクルーズ 19日間」がある。洋上での皆既継続時間は、およそ33秒。皆既の見られる高度も61度あり、条件としては良好である。ガラパゴス諸島では、ガイドが同行する自然観察会(解説は英語)も盛り込まれているので、ネイチャー志向の方におすすめのツアーだ。
観測ツアーの問合せ先
- 日通旅行・首都圏旅行支店主催「中米パナマ&コスタリカ金環・皆既日食ツアー 8日間」
- 観測ツアー案内のPDFファイルをダウンロード(nittsu.pdf、712KB)
より詳しい資料の請求、お問合せは下記まで。
日本通運(株)首都圏旅行支店 営業第7課
電話: 03-6251-6357 Fax: 03-6251-6366
メール: hi-oogane@nittsu.co.jp
担当:大金(おおがね)、向井
- 阪急交通社メディア営業部主催「4.08パナマ金環日食観測と世界の十字路紀行」
- 観測ツアーウェブサイト: http://www.hankyu-travel.com/eclipse/panama/
- 阪急交通社メディア営業部手配旅行「皆既日食ガラパゴスクルーズ 19日間」
- 観測ツアー案内のワードファイルをダウンロード(hankyu.doc、229KB)
より詳しい資料の請求、お問合せは下記まで。
(株)阪急交通社 メディア営業部天文ツアーデスク
電話: 03-3508-0177 Fax: 03-3508-8813
メール: dantai-trapics@hei.hankyu.co.jp