7夜で66個の小惑星を発見、JAXA総研本部宇宙先進技術研究グループスペースデブリセクションの活躍
【2006年3月28日 アストロアーツ】
長野県・入笠山に設置された「入笠山光学観測所」(標高1860m)。小惑星センターの天文台コードは「408」。
口径35cmF3.6のタカハシε-350とナカニシイメージラボの2K2Kチップ・CCDカメラを組み合わせた観測用望遠鏡。視野角1.27度四方で、小惑星やスペースデブリの観測用として最適なシステム。
「ステラハンター・プロフェッショナル」の「スターチャート」画面。視野内の全ての小惑星が検出されて、さらに未知小惑星(黄色の丸)が見つかったことが確認できる。
「ステラハンター・プロフェッショナル」
対応OS:Windows 98SE / 2000 / Me / XP
定価:102,900円(98,000円+税)
発売:株式会社アストロアーツ
JAXA総研本部宇宙先進技術研究グループスペースデブリセクションがこの冬、66個もの未知小惑星を発見するという驚くべき成果を上げている。
「入笠山光学観測所」において、2006年1月23日〜26日と2006年3月2日〜4日の7夜の観測で撮影した画像を解析した結果、22等以下を含む大量の小惑星を検出することに成功した。
発見して仮符号を取得した小惑星(合計66個)
発見年月日 | 仮符号 | 発見光度 | 発見者 |
2006年1月23日 〜26日 |
2006 BG29〜BZ29(19個) 2006 BF39〜BN39(8個) 2006 BX54〜BA55(4個) |
20.4等 〜22.5等 |
中島厚 黒崎裕久 |
2006年3月2日 〜4日 |
2006 EK01〜EP02(31個) 2006 EY44(1個) 2006 EO45〜EQ45(3個) |
19.5等 〜21.5等 |
中島厚 黒崎裕久 |
JAXA総研本部宇宙先進技術研究グループスペースデブリセクションでは、移動天体の検出技術の研究を行っており、地上から撮影した画像をカスタマイズを施した「ステラハンター・プロフェッショナル」を使用して、小惑星、スペースデブリの発見を行なっている。
今回の大量発見は口径35cmの望遠鏡で撮影した3分露出の画像30〜40枚を「ステラハンター・プロフェッショナル」で合成して検出したもの。大口径望遠鏡に匹敵する高性能を発揮して、視野内の微光小惑星を一網打尽にした。
「ステラハンター・プロフェッショナル」は移動天体の探索や追跡、そして報告までの統合的な環境を提供するソフトウェアで、JAXA総研本部宇宙先進技術研究グループスペースデブリセクションとアストロアーツが共同開発を行なったソフトウェアだ。
世界の大規模サーベイの活動で、日本国内の小惑星発見は衰退したが、同セクションのさらなる活躍に加えて、アマチュアの小口径望遠鏡による微光小惑星の発見を期待したい。