マックノート彗星(C/2006 P1)がSOHO LASCO C3の視野に
【2007年1月12日 アストロアーツ】
現在、日本を含め北半球の多くの天文ファンを楽しませてくれている注目のマックノート彗星(C/2006 P1)が、いよいよ太陽観測衛星SOHOのカメラ LASCO C3の視野内に入ってきました。SOHOが今まで見つめてきたどの彗星よりも明るい姿を見せる可能性もあり、視野内を通過する4日間のリアルタイム画像は必見です。
13日の近日点通過を前に、マックノート彗星(C/2006 P1)をとらえた画像がインターネットのいろいろなページをにぎわせています。アストロアーツの投稿画像ギャラリーにも多くの投稿が寄せられているほか、NASAの太陽観測衛星STEREO-Bに搭載されているSECCHI/HI-1Bが1月11日にとらえた画像には、湾曲した約7度の尾を持つマックノート彗星の姿が写し出されました。
今後マックノート彗星は、ガスやチリを大量に放出することで光度を増し、劇的な姿を見せることが予測されています。明日からの4日間、この彗星の姿を太陽観測衛星SOHOのカメラLASCO C3のリアルタイム画像で見ることができます。太陽観測衛星SOHOプロジェクトの一員であるBernhard Fleck氏も「マックノート彗星は、今までSOHOが見つめてきたどの彗星よりも、明るい姿を見せるかもしれません」とコメントしています。
マックノート彗星の位置は天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」で表示して確認できます。また、マックノート彗星がLASCO C3の視野内で移動していくようすを再現したアニメーションを「コンテンツ・ライブラリ」で公開しています。ステラナビゲータ Ver.8をご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードし、実行してください。
ステラナビゲータ・ユーザー以外の方は、SOHO Hotshotのページ内で公開されているLASCO C3の視野内における彗星の移動経路を示した画像を参照してください。
一般の天文ファンのみならず、研究家も絶好の観測機会として注目しているマックノート彗星の近日点通過、この機会をどうぞお見逃しなく。
最大光度 | 彗星 |
---|---|
(-7) | 池谷・関彗星(C/1965 S1) |
(-4) | 南天の大彗星(C/1947 X1) |
-3.0 | ウェスト彗星(C/1975 V1) |
(-3) | マックノート彗星(C/2006 P1) |
-0.8 | ヘール・ボップ彗星(C/1995 O1) |
(-0.5) | アラン・ローラン彗星(C/1956 R1) |
(-0.5) | ニート彗星(C/2002 V1) |
0.0 | 百武彗星(C/1996 B2) |
0.0 | ベネット彗星(C/1969 Y1) |
0.5 | ソーホー彗星(C/1998 J1) |
1.0 | 日食彗星(C/1948 V1) |
1.0 | ムルコス彗星(C/1957 P1) |
1.0 | 関・ラインズ彗星(C/1962 C1) |
(1) | ホワイト・オルティス・ボレリ彗星(C/1970 K1) |
1.7 | アイラス・荒貴・オルコック(C/1983 H1) |
(2) | デコック・パラスケフォポロス彗星(C/1941 B2) |
(2.2) | リニア彗星(C/2002 T7) |
2.4 | ハレー彗星(1P/1982 U1) |
2.5 | コホウテク彗星(C/1973 E1) |
2.5 | リニア彗星(C/2000 WM1) |
International Comet Quarterly (ICQ)より。
(*)1935年以降に地上から観測され、ICQ archiveとIAU Circularsに記載のある彗星のうち、もっとも明るい彗星(2.5等級以上)を光度順に示したものです(全リストはhttp://cfa-www.harvard.edu/icq/brightest.html)。彗星の光度は、地上観測による実視全等級。また()内の数値は、データが不完全であるなどの理由で不確実であることを示しています。