ぎょしゃ座流星群、ほぼ予想どおりに出現
【2007年9月6日 CBET 1049 / アストロアーツ】
9月1日(世界時)、ほぼ予想どおりの時刻に「ぎょしゃ座流星群」が突発出現した。流星雨とまではいかなかったものの、明るい流星が多かったようだ。アストロアーツ「星ナビ」編集部の観測チームもハワイでぎょしゃ座流星群を目撃した。
国際天文学連合の中央局電子電報(CBET)で報告されたところによれば、ぎょしゃ座流星群は世界時(以下同)9月1日午前10時30分から12時ごろにかけて出現し、極大時刻は午前11時15分(予想は午前11時33分±20分)だった。ほとんどの流星の明るさは、3等級からマイナス2等級の範囲内にあった。
ベルギーなどの観測者からなる流星電波観測チームは、火球の割合が多かったこと、ピーク付近では10分当たり5個前後の出現が見られたことなどを報告している。
レポート(星ナビ編集部 ぎょしゃ座流星群観測チーム)
9月1日午前1〜2時ごろ、ハワイ島のオニヅカセンター駐車場(標高約2800メートル)にて、ぎょしゃ座流星群の出現を目撃した。
ぎょしゃ座流星群は、2000年の長周期で太陽を巡るキース彗星が形成したダスト・トレイルによるもので、1935年にポツダムとプラハで突発出現して後、何回かの出現が報告されている。キース彗星は、太陽系外縁天体のさらに外側に広がるオールト雲を起源としているとされているため、ぎょしゃ座流星群は「太古の流星物質」を観測するチャンスとして注目された。長周期彗星や流星物質に関する詳細な解説は、「星ナビ」9月号の「ニュースウオッチ」、およびアストロアーツニュース「「異質の流星」に注目、9月1日にぎょしゃ座流星群が突発出現の可能性」を参考にされたい。
予報では極大時刻は午前1時36分ごろ(ハワイ現地時間)だったが、少し早い時刻に極大と思われる出現があった。今までの観測報告から予想されたとおり3等からマイナス2等級前後の明るい流星が多く、痕を残す流星の割合も高かった。極大時のころには10分あたり5〜10個の出現が目撃されたが、ピークは鋭く、以降はまったく出現しなかった。
もっとも印象に残ったのは、現地時間1時10分ごろにペルセウス座から秋の四辺形にかけて流れたマイナス2等級の流星。放射点が低い時間にほぼ天頂に出現したため、目測で40度近い経路を見せ、緑っぽい色で始まり赤っぽく光って消えた。
神戸大学の阿部新助氏を中心とした観測チームは、ハワイのハレアカラ(オアフ島)とオニヅカセンター(ハワイ島)での2点同時観測を成功させており、詳しい考察が待たれるところだ。