メッセンジャー、水星の新たな一面を明らかに
【2008年10月9日 MESSENGER Web Site】
NASAの水星探査機メッセンジャー(MESSENGER)が、2度目の水星スイングバイに成功し、これまで撮影されたことのない角度から水星の表面をとらえた。
米国東部時間(以下同様)の10月6日、水星探査機メッセンジャーが、2度目となる水星スイングバイ(軌道修正を目的とした接近通過)を行った。探査機は水星表面から200kmの距離にまで接近し、数百枚の画像など数多くのデータを地球へ届けた。
公開された画像は、最接近から90分後、約2万7000kmの距離で撮影されたものである。画像中央からやや下寄りに、カイパー(Kuiper)と呼ばれるクレーターが見える。カイパーは、1974年から1975年にかけて水星を撮影したNASAの探査機マリナー10号の画像で見つかっていた。
画像でカイパーの右側から端にかけては、メッセンジャーが初めて撮影する領域だ。上から下へ何本もの筋が走っているのが特徴的だが、これは右上の方に存在する若いクレーターから物質が飛び散った跡だと考えられている。
今年1月に行われた最初の水星スイングバイでは、これまで撮影されたことのない側から水星がとらえられ、数多くの発見をもたらした。今回のスイングバイでは反対側から撮影することになるため、水星について新たな情報が得られると期待されている。