どうなる、2009年のしし座流星群

【2008年12月15日 Science@NASA

1998年から2002年にかけて活発な出現を見せて、2001年に日本で流星嵐を起こしたしし座流星群だが、しばらく鳴りをひそめていた。そのしし座流星群が2008年にひさしぶりの活動を見せ、来年もやや大きめの出現があるかもしれないとの予報が出されている。


2009年10月28日追記 本ニュースに登場するJérémie Vaubaillon氏へのインタビューを含む続報が、月刊天文雑誌「星ナビ」2009年11月号(10月5日発売)および12月号(11月5日発売予定)に掲載されています。また、星空ガイド特集サイト「2009年 しし座流星群」もあわせてご覧ください。


(2008年11月16日〜19日米・コロラド州で観測された流星の画像)

2008年11月16日〜19日米・コロラド州で観測された流星。計131個の流星をとらえた4日間の画像を重ね合わせたもの。クリックで拡大(提供:Chris Peterson, Cloudbait Observatory)

2008年のしし座流星群は、アジアの一部やヨーロッパ諸国で1時間に100個ほどの出現が見られた。テンペル・タットル彗星(55P)が1466年に軌道に沿って残したちりの中を地球が突き抜けたからだ。これほど古いちりによって活発な活動が見られるとは予測されていなかった。

来年、地球は同じちりの帯に突入する。今年と違うのは、地球が帯の中心部分を通過する点だ。そのため、NASAマーシャル・スペース・センターのBill Cooke氏は、ピークとなる世界時間11月17日21時43分(日本時間18日午前6時43分)前後の数時間には、1時間に500個かそれ以上の流星が流れると予測している。

一般に流星が1時間に1000個以上流れる場合は「流星嵐」と呼ばれる。多くの人々の記憶に残っている1999年と2001年のしし座流星群では、1時間に最大3000個の流星が見られた。カリフォルニア工科大学のJerémié Vaubaillon氏は、2009年はそれには及ばないものの、1998年と同じくらいの「半流星嵐」になるだろうと予測している。

1998年のしし座流星群では、1333年に彗星が残していったちりが多くの火球を見せてくれたが、2009年はどうなるのだろう。Vaubaillon氏は、流星数を1998年と同じくらいと予測する一方で、火球の数はそれほど多くないとしている。1466年のちりには、火球となるような大きな粒子が含まれていないと考えられているからだ。

たくさんの火球は期待できないまでも、来年11月17日から18日の夜空に流星観測のじゃまをする月はない。少々、いやかなり気の早い話だが、一体どんな活動を見せてくれるのか、ぜひ注目したい。

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