NASAの系外惑星探査衛星ケプラー、打ち上げ成功
【2009年3月9日 NASA】
NASAは、米国東部時間3月6日(日本時間7日、以下同様)に系外惑星探査衛星ケプラーを打ち上げた。ケプラーは、今後3年半をかけて10万個の恒星を観測し、地球のような惑星が存在するかどうかを探る。
NASAの系外惑星探査衛星ケプラーが、6日午後10時49分(7日午後0時49分)に米・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。
7日午前0時11分には、ケプラーから最初の信号が届き、太陽電池パネルによる発電が始まったことが確認された。
ケプラーは、恒星の前を惑星が通過する際、わずかに変化する恒星の明るさを検出する。 通過する惑星が小さければ、当然その検出にも高い精度が要求される。
ケプラーには、225万画素のCCDが42基搭載されていて、合計すると9500万画素のCCDカメラに相当する。これまで宇宙に打ち上げられたカメラとしては最大の画素数だ。
ケプラーは、はくちょう座からこと座にまたがる領域にある10万個以上の恒星を約3年半かけて観測する。最初に見つかるのは、おそらくもっとも検出が容易なホット・ジュピター(木星のような高温の巨大ガス惑星)だろう。続いて見つかるようになるのは、おそらく海王星サイズの惑星である。地球のような惑星の発見には、少なくとも3年はかかると考えられている。
本当の意味で地球のような惑星とは、大きさが地球ほどであり、なおかつ恒星からの距離がほどよくて液体の水が存在できる表面温度に保たれている惑星を指す。
ケプラーによる観測では、最終的に、天の川銀河内に地球のような大きさの惑星がどれくらい存在するのか、また、そのうち表面に液体の水が存在できる惑星がどれくらい存在するのかが初めて示されることになる。
ケプラーの主任研究員を務めるNASAエイムズ研究所のWilliam Borucki氏は、「もし、地球のような惑星が発見されなかったとしても、それ自体が重要な結果です。その場合、天の川銀河にはわれわれしかいないことが示唆されるわけです」と話している。
なお、ケプラーでは、すでに搭載されている機器の動作確認が始まっており、本格的な観測開始は約2ヶ月後に予定されている。