MAXI、2個目のX線新星を発見

【2010年10月22日 JAXA】

全天X線監視装置MAXIが、先月に続いて2個目となるX線新星を発見した。発見された天体は地球から数万光年以上の遠方にあり、大質量星を伴星とする中性子星またはブラックホールである可能性が高いと予測されている。

（（左）新X線天体MAXI J1409-619を中心とする半径10度の領域のX線画像、（右）スウィフトの追跡観測による詳細なX線画像）

（左）新X線天体MAXI J1409-619を中心とする半径10度の領域のX線画像、（右）スウィフトの追跡観測による詳細なX線画像。クリックで拡大（提供：JAXA、理化学研究所、MAXIチーム）

国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置されている全天X線監視装置MAXIのミッションチームは、同装置が10月17日に新しいX線天体「MAXI J1409-619」を発見したことを発表した。MAXIによるX線新星の発見は、9月25日に発見されたMAXI J1659-152に続いて、これで2個目である。

MAXI J1409-619はケンタウルス座に出現した新天体で、10月17日ころから明るくなりはじめたが暗かったため、数日間かけて観測が行われた。そのデータから天体の位置が明らかとなり、日本時間（以下同様）の10月20日午後8時過ぎに位置情報が世界へ向けて速報された。

その速報を受けて、NASAのガンマ線観測衛星スウィフトが緊急追跡観測を10月21日午前0時に実施。その結果、この天体がこれまでに知られていないX線源であることが確認された。今回の発見により、MAXIが銀河系内のはるか遠方のX線新星を発見できる能力を備えていることを世界に示した。

この天体の正体は、数万光年以上の遠方（銀河系内）に位置する大質量星を伴星とする中性子星、またはブラックホールである可能性が高いと予測されている。MAXIチームはこの天体の正体を明らかにするため、スウィフトと共同でさらに詳しい観測を進めている。