小惑星ベスタの科学観測が正式にスタート

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【2011年8月12日 NASA

7月15日に小惑星ベスタの周回軌道に入った探査機「ドーン」が、正式な科学観測をスタートした。まずは全体的な地形を撮影し、今後1年間にわたってベスタを観測する。


ドーンが撮影した小惑星ベスタ

7月24日に撮影されたベスタの3D画像。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)

NASAの探査機「ドーン」によるベスタの観測は、目的に応じた4種類の軌道で1年間にわたって行われることになっている。ドーンはそのうちの最初の軌道に入り、8月11日に本格的な科学観測がいよいよ始まった。

この1つめの軌道は「概観観測軌道」(survey orbit)と呼ばれ、約2,700km上空を3日間で1周しながらベスタの全体像をとらえていくものだ。

可視光と赤外線で全球を観測したマッピング分光計のデータとフレーミングカメラによるモザイク撮影画像から、地表の地形・組成図を生成する。また、探査機の動きから重力を割り出し、重力場の測定も行う。

約20日間の概観観測を終えた後は軌道修正して次の軌道に移る。9月からは「高緯度マッピング軌道」(HAMO)と呼ばれるやや低い軌道で半日に1周し、昼の面を高解像度でとらえてベスタの地形の3D画像を生成することになっている。