火星の北極の雪解け
【2013年1月28日 NASA (1)/(2)】
探査機「マーズ・リコナサンス・オービター」が、火星の北極域の砂丘を覆う二酸化炭素の氷が春の訪れとともに解けていく様子をとらえた。探査車「キュリオシティ」初の夜間観測の画像とあわせて紹介しよう。
NASAの探査機「マーズ・リコナサンス・オービター」が、火星の北極域にある砂丘が季節とともに変化する様子をとらえた。
地球では自然界の中で二酸化炭素が固体のドライアイスとして存在することはない。しかし、火星には巨大な毛布のように表面を覆っているドライアイスが存在する。極域を覆うドライアイスの「極冠」は、アマチュアの天体望遠鏡でも見ることができる。
半透明なドライアイスを通って届いた太陽光がドライアイスの下にある土を暖めると、その熱でドライアイスが昇華し始め、火星の春が始まる。ドライアイスと地面の間に閉じ込められた二酸化炭素ガスは、圧力が高くなり外へ噴出する。それとともに黒っぽい砂が噴き出して表面を覆っていく様子を画像でも見ることができる。
火星は地殻活動がほぼなく、あまり活動的ではない惑星として知られているが、継続的な探査により、様々な季節変化とそれに伴う地表の変化がこれまでに観測されている。
NASAの火星探査車「キュリオシティ」が22日に初めての夜間調査を行った。
調査対象となったのは「サユネイ(Sayunei)」と名づけられた岩石で、キュリオシティはまず岩石の表面を削り、露出した箇所を白色光と紫外線のLEDライトで照らしながら撮影した。
この調査の目的は蛍光性の鉱物の探索で、こうした物質は紫外線で照らすと緑や黄、オレンジ、赤などで見えるという。キュリオシティから届いたデータは現在確認中とのことだ。
今後キュリオシティは現在地近辺でドリルを使った岩石調査を開始する予定となっている。