皆既月食を記録に残そう
月食をビデオカメラで狙う
家庭用ビデオカメラで、ビデオ撮影を楽しんでいる人も少なくないだろう。 こうしたビデオカメラを使って皆既月食を記録してみるのはいかがだろうか。 最近のビデオカメラは、ハンディタイプのものでも、ナイトビジョン機能がついていたり、高感度のものが多くなっているので、3〜4等星くらいまでの恒星を写すことが可能な機種もある。 したがって、皆既中の暗い月面は別としても、満月が欠けていくようすを写すにはじゅうぶんな感度がある。
ハンディなビデオカメラのほとんどがズームレンズを搭載してるが、月を画面いっぱいの大きさに写すほどの長い焦点距離を持つものは少ない(最近はデジタル100倍ズームなんていうのもあるようだが、デジタルズームは解像度が落ちるだけなので使わないほうがいい)。 そこで使用したいのが、レンズの前に取り付け、焦点距離を2倍や3倍に引き延ばす効果を持つテレコンバージョンレンズだ。 ビデオカメラの取扱説明書やカタログを見ると、35ミリ判のカメラレンズに相当する焦点距離が記されていることが多いので、こうした数値を参考に何倍のコンバータレンズが必要かを計算しておこう。
撮影にはカメラやデジカメ同様に、やはりマニュアル露出、マニュアルフォーカスが可能なものが適している。 露出がオートのものだと、画面の中の月の面積が小さい場合、月がかなりの露出オーバーになる可能性がある。 もちろん、マニュアル露出はなくても露出補正機能を搭載していれば、多少のコントロールが可能だ。
また、最近ではビデオカメラのCCD部分だけを単体で入手することも可能である。 望遠鏡メーカーや写真用品メーカーから販売されているが、こうしたCCDは面積が小さいので、一眼レフカメラの望遠レンズや望遠鏡などと組み合わせて、超望遠のビデオカメラとすることができる。 もちろん、録画するにはビデオデッキが必要になるが、ハンディビデオカメラでもほとんどの機種で映像の外部入力端子がついているので、これに映像を記録すれば、据え置き型のデッキの必要はない。
ビデオカメラでの撮影は、デジカメなどと同じように、より安定して撮影できるように三脚や赤道儀に搭載したいものである。
また、最近は動画を簡単に取り込める機能を持ったパソコンも普及しているので、こうした機器を利用して、テロップやBGMを盛り込んで番組風に編集したりすることも簡単にできるようになった。家庭用ビデオカメラで撮影し、コマ落とし編集した皆既月食ムービー。 10年も前の1990年2月10日の皆既月食を撮影したもので、当時のビデオカメラでも月が欠けていくようすは写せた。
AstroArtsのトップページへ | copyright (C) all rights reserved. |