2003年11月25日 土星による8.3等星の恒星食 主役は土星の環?
2003年11月25日の宵から夜半にかけて、8.3等星の前を土星が横切ってかくすという、たいへん珍しい現象が起こります。
この現象は全国で見られます。光度差が大きいですが、望遠鏡があれば観測することができるでしょう。また、大口径の望遠鏡と高感度のCCDビデオカメラがあれば、動画として記録することもできます。
解説
2003年11月25日、東の地平線から上ってきて間もない土星が、8.3等級の恒星TYC1343-1900-1をかくす恒星食が起こります。
食は19時50分過ぎごろから始まります。大きく開いた土星の環の東南側から恒星が潜入し、23時ごろに環の西南側から再出現します。ただし、潜入時の土星の地平高度は、東京の場合5度にも満たず、たいへん低空での現象になります。東の空が開けている場所で観測することはもちろん、できるだけ地平線近くまで空気の澄んだ場所で観測するようにしましょう。
さて、恒星が環の後ろ側を通過しているときには、恒星の光がチラチラと明滅して見えるはずです。これは、土星の環にすき間がたくさんあるためです。環は板状になっているわけではなく、岩石や氷の粒で構成されているので、そのすき間から星の光が透けて見えるというわけです。
恒星食をステラで再現
天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ Ver.6」を使って、恒星食のようすを再現してみましょう。時刻の設定の仕方やアニメーションさせる方法などを解説しています。当日に備えて、見え方や時刻のチェックをお忘れなく。
恒星食をビデオで撮ろう
今回の現象を高感度CCDビデオカメラで撮影するための方法や機材について紹介しています。めったに見られないこの現象をビデオに収めれば貴重な記録となること間違いなし。ぜひ挑戦してみてください。