明るさは2〜4等級? |
気になる彗星の明るさですが、予想では 2〜4等級。6等星まで見える空なら肉眼で見える明るさでしょう。双眼鏡なら右上方にうっすらと伸びた尾も確認できるかもしれません。
ただ、彗星の明るさはどう変化するかわかりません。昨年のリニア彗星(C/1999 S4: 写真上)のように、近日点を通過するときに、バラバラになって消滅してしまい、ほとんど見えなくなってしまうこともあえます。また反対に、1975年にヨーロッパ南天天文台のウエストが発見したウエスト彗星(写真中)のように、発見当初は16等級だったものが、近日点通過後に核が4個に分裂し、扇形のみごとな尾をたなびかせた歴史に残る大彗星に変身した例もあります。
また、6月中旬にリニア彗星を見た南半球の観測者は、リニア彗星の見え方が1996年に地球に接近した百武彗星(写真下)とよく似ていると報告しています。このことから、リニア彗星は一部で「ミニ百武彗星」とも呼ばれているようです。
C/2001 A2リニア彗星がウエスト彗星のような大彗星になることを期待しつつ、明け方の東天にその姿を見せる日を待ちたいところです。
核が崩壊しつつあるC/1999 S4 リニア彗星
2000年7月30日 20時15分(I-Band 30秒露光4枚)疑似カラー
撮影者/門田健一 撮影地/埼玉県上尾
撮影機材/18cmF5.5反射望遠鏡 + 冷却CCDカメラ(MUTOH CV-16II)
扇形のみごとな尾をたなびかせたウエスト彗星
1976年3月4日 5時18分 露出1分
NikomatFT2 50mmF2 FujichromeR100(+1増感, ISO200)
撮影:門田健一 撮影地:高知県吾川郡春野町
C/2001 A2 リニア彗星と見え方がよく似ているとされる
C/1996 B2 百武彗星1996年3月25-26日 露出10分
Pentax LX 300mm F2.8 Fujichrome PROVIA 400
撮影:大熊正美 撮影地:千葉県安房郡白浜町
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