池谷・関彗星(1970年) C/1965 S1
1965年の秋、静岡県の池谷薫さんと高知県の関勉さんが発見したクロイツ群の大彗星です。夜明け前の東の空に長い尾を引いて現われました。後に日本人コメットハンターたちが活躍する原動力になりました。
- 撮影者:
- 柄本 英幸
- 撮影日時:
- 1965年10月26日 5時15分、露出 30秒
- 撮影地:
- 長崎県五島列島
- 撮影機材等:
- ミノルタ A2 50mm F3.5、フジ ネオパンSS
- 撮影者コメント:
中学3年生の時、故郷の長崎県五島列島で見た池谷・関彗星は、一生の思い出として鮮やかに残っています。1965年10月20日は太陽コロナの中を潜り抜けるということでどうなるかとマスコミも騒ぎ、私も授業の休み時間にすす付けガラスで眺めました。肉眼では見えませんでしたが、夕方のNHKニュースではコロナグラフに捉えられた彗星を見て驚きました。近日点通過6日後の10月26日早暁、遥か水平線上に約10度の明るい尾を立ち上らせた姿を見た時は大感激でした。その後尾はもっと大きくなりましたが、薄明に負けずに輝いていたこの日の姿は印象的でした。
後日発行された天ガ特集号で、近日点通過後の最初の写真として確か10/27付けのものが紹介されていた記憶がありますが、この写真はその1日前です。
- タイトル:
- 「私の青春だ!池谷・関彗星」
- 撮影者:
- 大野 裕明
- 撮影日時:
- 1965年11月6日 4時52分0秒〜52分55秒(20秒目で5秒間中断)
- 撮影地:
- 福島県福島市
- 撮影機材等:
- (カメラ)ミノルタ SR-1、(レンズ)ロッコール 55mm F1.8開放、(フィルム)トライ-X(ISO 400)
- コニドールスーパー(21度、18分)
- その他:
- 人工衛星エコー1号の光跡は左に移動したもの
- 撮影者コメント:
村山定男先生がNHKテレビで「明け方大きな彗星が見られる」と報じ、出会った最初の巨大な彗星でした。その当時は小遣いで高価な?フィルムを買い、36枚撮りを何日かに割り振りして撮影していたものです。肉眼でも彗星の立派な尾や更に末端が明らかにカーブしている姿は街中に住んでいても光害が少なかったお陰で良く見えたものです。この撮影中に近くでスーツ姿の数人がトラックから燃料を盗んで居たので、すかず彗星撮影の要領で現場の証拠写真を撮影。検挙された事は勿論で星撮影に伴う様々なできごとの第1号であったことも巨大彗星の素晴らしさとともに忘れられないことです。カラー映像にあこがれていたこの頃、四つ切のプリントに実際見た感じを思い出しながらエアーブラッシングした一枚です。