SIGMAからF1.4の明るい35mmフルサイズ用対角魚眼レンズ登場

【2024年3月9日 星ナビ編集部】

株式会社シグマが、民生用としては世界初となるF1.4の明るさと、画面全体での高い解像力を両立させた35mmフルサイズ用対角魚眼レンズ「SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art」を新発売する。

同レンズの光学性能は、特に画面周辺のサジタルコマフレアを中心に各収差を良好に補正することで、優れた点像再現性と高い解像感を実現する。そのため、ひときわ高い性能が要求される星景写真撮影においても、開放から十分に対応できるという。画角180°の画面隅々まで高解像に写し出せる魚眼レンズの常識を覆す描写力は、風景を取り込んだ星景写真や、星野写真、流星動画撮影などに新しい表現の可能性を広げてくれることだろう。

■ 発売概要

• 商品名：SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art
• 付属品：ケース、カバーレンズキャップ（LC1040-01）、三脚座（TS-141）、リアキャップ（LCR II）、プロテクティブカバー（PT-51）、ガイドプレート（GP-21）、ショルダーストラップ
• マウント：Lマウント用、ソニー Eマウント用
• 価格：オープンプライス（量販店で30～33万円）
• 発売日：2024年3月14日（木）

※ 製品の外観、仕様などが変更される場合あり。※ ソニー Eマウント用は、ソニー株式会社とのライセンス契約の下でライセンスを受けたEマウント仕様書に基づいて開発・製造・販売されている。※ Lマウントはライカカメラ社の登録商標。

主な特長の詳細

■ 1. 魚眼レンズの常識を覆す解像力

最新の光学設計により各収差を徹底的に補正。魚眼ならではの特徴的な表現と、開放から画面全体における高い解像力を持つ対角魚眼レンズ。その性能は、SIGMA独自のMTF測定器での全数検査によって保証されているとのこと。

開放から画面全体で高い解像力と点像再現性

特殊低分散ガラスのFLD4枚、SLD3枚、非球面レンズ2枚を含む15群21枚の贅沢なレンズ構成を採用。サジタルコマフレアを中心に各収差を良好に補正することで、開放から画面全体で星景写真撮影にも耐えうる点像再現性と高い解像力を達成している。

FLD（黄色）4枚、SLD（青）3枚、非球面レンズ（紫枠）2枚を含む15群21枚構成

画角180°の対角魚眼レンズ

魚眼レンズの魅力である迫力の歪曲効果により、180°の画角で独特な遠近感や被写体の強調といった表現が楽しめる。加えて、性能においてもArtラインの厳しい基準で設計。

フレア、ゴーストに配慮した設計

画質を低減させるフレア、ゴーストに関しては、最先端のシミュレーション技術をもとにあらゆる条件の入射光に対する対策が施されている。高い逆光耐性により、どんな光の条件下でもクリアで抜けの良い撮影が可能。

■ 2. 星景撮影をサポートする豊富な機能とArt F1.4単焦点広角レンズラインアップ

星景写真撮影に特化した機能を持つSIGMA ArtラインのF1.4単焦点レンズは、超広角レンズの14mm、20mm、24mmに、対角魚眼の15mm F1.4が加わり4本に拡充。撮影シーンによって選択することが可能になった。同シリーズは星景写真に特化された数々の機能を持っている。

MFL（マニュアルフォーカスロック）スイッチ

「LOCK」にするとフォーカスリング操作が無効となるMFLスイッチを搭載。フォーカスリングの意図しない操作によるピントずれを防止。フォーカスを固定して撮影する長時間露光撮影などに役立つ。

レンズヒータを取り付けてたようす。レンズ側面はAF/MF切り替えスイッチ、フォーカスロックスイッチを装備。

レンズヒーターリテーナー

フロント周りに設けられた段差、レンズヒーターリテーナーは、結露防止用レンズヒーターがレンズ前面に飛び出して画面周辺にケラレが発生することを防ぐ。

レンズ後端にフィルターホルダーを装備（左）、フロントキャップにはフィルタースロットが2個ついている（右）

リアフィルターホルダー

レンズマウント部に、星を滲ませるシートフィルターなどを装着できるリアフィルターホルダーを標準装備。

ロック機構・フィルタースロット付き専用フロントキャップ

ロック機構付きのカバーレンズキャップを付属。用途に応じたリアフィルターを2枚収納できるフィルタースロットも備えている。キャップはSIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art専用のため、シートフィルターを傷や汚れから守りながら、取り違えたり忘れたりすることなく持ち運べる。

三脚座

アルカスイスタイプ対応の軽量で丈夫なマグネシウム合金製着脱式三脚座を付属。長時間の露光においても、安定した状態で三脚に取り付けることができる。レンズヒーター使用時も干渉しないよう、形状に配慮されている。 ※ 三脚座（TS-141）はSIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art用と共通

製品紹介動画「SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art - 機能と特長」（提供：SIGMA）

■ 3. 最新の各種機能と高いビルドクオリティを搭載

任意の機能を割り当てられるAFLボタン（※1）や絞りリングをはじめとした、撮影をアシストする各種機能を搭載。AFアクチュエータにはリニアモーター HLA（High-response Linear Actuator）を採用し、高速かつ静粛・高精度なAF撮影が可能。防塵防滴構造（※2）採用など高い耐候性と堅牢性も確保し、あらゆる環境で長く信頼して使用できる高いビルドクオリティを備えている。 ※1 対応しているカメラに限る。また、カメラにより割り当てられる機能も変わる。 ※2 防塵・防滴に配慮した構造。防水構造ではないため、水辺などでの使用では、大量の水が掛からないように注意のこと。

各種撮影アシスト機能を搭載

任意の機能を割り当てられるAFLボタンを搭載。絞りリングに加え、絞りリングのロックスイッチと、クリックのオンオフを切換えられるクリックスイッチも搭載。

防塵防滴構造・撥水防汚コートを採用

防塵防滴仕様のボディに加え、レンズ最前面には撥水防汚コートが施されているため、露が降りる夜でも安心して撮影できる。

リニアモーター HLAを採用

AFアクチュエータにはリニアモーター HLA（High-response Linear Actuator）を採用。大推力のモーターと高度な電子制御により、フォーカスレンズを高速かつ高精度に動作させ、快適なAF撮影を提供する。

高いビルドクオリティ

重量のある光学系を支え、堅牢性と信頼性を高めるために金属製パーツでボディの要所を構築。一方で、軽量なエンジニアリングプラスチックTSC （※アルミニウムと同等の熱収縮率を持つポリカーボネート）も合わせて適所に採用し、軽量化を図っている。リングやスイッチなどの各操作部は感触まで追求。耐久性、操作性、満足度の高い所有感、その全てに妥協しない、SIGMAが誇る高いビルドクオリティを備えている。

■【特長一覧】

• レンズ構成枚数15群21枚（FLD4枚、SLD3枚、非球面レンズ2枚）
• インナーフォーカス
• 高速AF対応 「HLA（High-response Linear Actuator）」搭載 「レンズ光学補正」機能に対応（※ 魚眼レンズのため、歪曲収差は補正されない。対応しているカメラのみ。また、カメラによって補正できる項目が変わったり、自動補正を行ったりする。レンズ収差補正のON/OFFを選択できるカメラの場合は、カメラメニューから各種収差補正をON（AUTO）に設定して使用のこと）
• DMF、AF+MF対応
• AFアシスト機能に対応（ソニーEマウント用のみ）
• スーパーマルチレイヤーコート
• 撥水防汚コート（最前面）
• 絞りリング
• 絞りリングクリックスイッチ
• 絞りリングロックスイッチ
• AFLボタン（※ 対応しているカメラに限ります。また、カメラによって割り当てられる機能が変わります）
• MFL（マニュアルフォーカスロック）スイッチ
• リアフィルターホルダー（ガイドプレート GP-21 対応）
• レンズヒーターリテーナー
• フォーカスモード切換えスイッチ
• Lマウントボディでのフォーカスリングのリニア / ノンリニア設定の切替に対応（※ 対応しているカメラに限ります）
• 防塵防滴構造
• 三脚座（TS-141）付属
• プロテクティブカバー（PT-51）付属
• ロック機構・フィルタースロット付き専用カバーレンズキャップ（LC1040-01）
• SIGMA USB DOCK UD-11対応（別売・Lマウント用のみ）
• フレア、ゴーストに配慮した設計
• SIGMA独自のMTF測定器で全数検査
• 11枚羽根の円形絞りを採用
• 高精度、堅牢な真鍮製バヨネット・マウント
• マウント交換サービスに対応 「Made in Aizu, Japan」のクラフツマンシップ

■【主な仕様】

• レンズ構成：15群21枚（FLD4枚、SLD3枚、非球面レンズ2枚）｜画角：180°｜
• 絞り羽根枚数：11枚（円形絞り）｜最小絞り：F16｜最短撮影距離：38.5cm｜
• 最大撮影倍率：1:16｜最大径×長さ：φ104.0mm × 157.9mm｜質量：1,360g

※数値はLマウント用

■【商品コード】

• Lマウント用：0085126 478698
• ソニー Eマウント用：0085126 478650

なお、星ナビ2024年5月号の「KAGAYA通信」で、KAGAYAさんによる「SIGMA 15mm F1.4 DG DN DIAGONAL FISHEYE | Art」のインプレッションを掲載。6月号では、沼澤茂美さんによる「天体写真の魚眼レンズ活用法（仮題）」を掲載予定だ。