油井さん、ISS長期滞在を開始

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油井さんたち4名を乗せた宇宙船「クルードラゴン」が8月2日に打ち上げられ、同日に大西さんが滞在中の国際宇宙ステーションに到着した。油井さんは約半年間ISSに滞在する。

【2025年8月4日 JAXA(1)(2)

油井亀美也さんたち4人の宇宙飛行士が搭乗した宇宙船「クルードラゴン」11号機(クルー11)が、8月2日午前0時43分(日本時間、以下同)に米・フロリダ州ケネディ宇宙センターからファルコン9ロケットによって打ち上げられた。

クルードラゴンの打ち上げ
クルードラゴンの打ち上げ(提供:SpaceX

クルードラゴンは打ち上げの約10分後にロケットの第2段から切り離され、無事に地球周回軌道へ投入された。その後クルーは地上との交信でミッションへの意気込みを語り、油井さんは「日本のみなさん、私は10年ぶりに宇宙に帰ってきました。ISSでしっかりと任務を果たして一等星のように輝いて、日本のすばらしいところを世界の人に知っていただきたいと思います」と話した。

順調に飛行したクルードラゴンは、2日15時27分に国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングし、16時46分に油井さんら4名がISSへ次々入室した。現在、ISSでは大西卓哉さんが船長を務めていて、到着を待っていた大西さんと油井さんはハグやハイタッチで再会を喜びあった。

油井さんと大西さん
油井さん(ブルースーツ)と大西さん(白のポロシャツ)(提供:JAXA、以下同)

ウェルカムセレモニー
ウェルカムセレモニーを終えて笑顔で手を振るISS滞在クルー。油井さんは「温かい歓迎ありがとうございます。クルー11のメンバーは最高です。皆さんと働くことを楽しみにしています」と話した

油井さんは第73次/第74次長期滞在クルーのミッションスペシャリストとして、約半年間ISSに滞在する。

《宇宙航空研究開発機構 山川宏理事長談話(抜粋、要約)》

今回、油井宇宙飛行士の長期滞在においては、“明るい未来を信じ、新たに挑む!”をミッションテーマに掲げ、生命科学、物質・物理科学の研究に加え、将来の月探査やポストISSを見据えた技術実証、さらには次世代人材育成に資する宇宙実験など、多岐にわたる活動が予定されています。JAXAがこれまでに培ってきた「きぼう」日本実験棟の技術を最大限に活用し、二酸化炭素除去技術の軌道上実証や、微小重力環境に起因する精密機器の誤差解析、植物細胞を用いた宇宙環境での作物生産システムの開発など、先進的な取り組みも進めてまいります。

油井宇宙飛行士にとって、今回が2度目のISS長期滞在となります。前回の滞在以降、宇宙飛行士グループ長として地上でのマネジメント業務に従事したのち、米国等でさまざまな訓練に取り組んできました。今回のミッションでは、ISSで大西宇宙飛行士からのたすきを受け取り、豊富な経験を活かし、クルー11の一員としてチームの調和とミッション遂行に貢献してくれるものと期待しています。

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