いざリュウグウへ 「はやぶさ2」スイングバイで目標軌道に
【2015年12月14日 JAXA】
「はやぶさ2」は12月3日(木)に地球スイングバイを実施し、19時8分7秒(日本時間)ごろに地球に最接近してハワイ付近の上空3090kmを通過した。
スイングバイ後の軌道の計測と計算により、「はやぶさ2」が目標としていた軌道上を航行していることが確認された。「はやぶさ2」はスイングバイにより軌道を大きく曲げるとともに速度を上げ、地球を離れて探査目標である小惑星リュウグウへと向かう軌道に入っている。到着は2年半後の2018年6~7月ごろの予定だ。
「はやぶさ2」が地球スイングバイ後に、光学航法望遠カメラ「ONC−T」で撮影した地球の画像も公開された。このカメラでは7つのフィルターを使ってカラー画像を取得することができ、植物の存在を示したり雲と氷の区別をつけたりすることもできる。ONC-Tカメラはリュウグウのどこに有機物や含水鉱物があるかを確認し、着陸する場所を決める役割を担う。
〈参照〉
- JAXA: 小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ実施結果について
- JAXA はやぶさ2プロジェクト: 「はやぶさ2」が撮影した南極とその周辺
- 立教大学: 「はやぶさ2」に搭載望遠カメラによって撮られた地球 理学部亀田研究室が開発に協力
〈関連リンク〉
- JAXA: http://www.jaxa.jp/
- アストロアーツ:
- はやぶさ2・シミュレーションパック
- PCソフト、モバイルアプリのシミュレーションで「はやぶさ2」と旅する
- 投稿画像ギャラリー: 2015年12月3日 「はやぶさ2」
- 星ナビ.com こだわり天文書評: 「はやぶさ」「はやぶさ2」関連
〈関連ニュース〉
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