地球の新しい準衛星、小惑星2016 HO3

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地球に近い軌道を持ち地球と共に太陽の周りを公転する、擬似的な月のような小惑星「2016 HO3」が発見された。

【2016年6月22日 NASA JPL

今年4月27日、米・ハワイのパンスターズ1望遠鏡による観測で小惑星「2016 HO3」が発見された。大きさは40~100m程度とみられている。

この小惑星が特徴的なのは、常に地球の近くにあって、地球と共に太陽の周りを公転するという点だ。近いといっても1400万km(地球から月までの約38倍)以上は離れているが、これまでに見つかっている同種の天体のなかでは最も軌道が安定している。このような天体は「準衛星」とよばれている。地球の周りを回るように運動するが、これはあくまでも見かけ上のことだ。力学的な運動中心は太陽であり、中心が地球である「真の」月とは本質的に異なる。

(黄色)2016 HO3の軌道、(水色)地球の軌道、(中心)太陽(提供:NASA/JPL-Caltech)

「計算によれば、小惑星2016 HO3は過去100年ほどの間、安定して地球の準衛星であり続けてきたようです。さらに今後も数百年間にわたり、準衛星として地球と共に太陽の周りを回り続けるでしょう」(NASA Paul Chodasさん)。

2016 HO3は、約半年間は地球よりも太陽に近い軌道を動き、地球よりも先行する。残る半年間は太陽から遠ざかり、地球より遅れて公転する。また、軌道が地球の公転軌道に対して少し傾いているため、小惑星は1年に1度、地球の軌道面に対して浮かび上がり、再び潜るという動きを繰り返す。

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