「小惑星による恒星食」を観測しよう
パソコン、GPSとフリーソフトを用いた観測
パソコンGPSとフリーソフトで恒星食の正確な時刻を測定しましょう。機材は使い慣れたものを用い、パソコンにGPSを接続して準備完了です。ここではアストロアーツのGPS1811をパソコンに接続しています(※「GPS1811」は完売しました)。
GPSでパソコンの時計を合わせたり、記録するには、SatkとPJPというWindowsのフリーウェアがおすすめです。
パソコンの時刻同期ソフト「Satk」。小惑星の恒星食の予報も手がける瀬戸口貴司氏が作成。
中野太郎氏による短波JJY風音声発信ソフト「PJP」。任意のキーを押した時刻を記録するキータッピング機能を持っている。
<リンク>
- 自作ソフトで楽しむ天体観測(瀬戸口貴司氏)
- 「Satk」(さとくん)のダウンロードほか。
- PJP(中野太郎氏)
- 掩蔽観測支援時計ソフト「PJP」のダウンロード。
▲ できれば椅子などを用意して、
楽な姿勢で眺めるようにしましょう。
星図をたよりに小惑星に隠される恒星を視野に導入します。ステラナビゲータなどのシミュレーションソフトを使うと便利です。
あとは恒星が消えるまで、ジッと目的の恒星を見つめましょう。集中できるように望遠鏡はモータードライブ付きがおすすめです。
SatkとPJPを起動しつつ、恒星が消えたら何かキーを押し、さらに再び現れたらもう一度キーを押します。いかに素早く押しても人間の反応時間には遅れがあるので、報告する場合はどのような計測方法か明記しましょう。
GPS1811とは?
GPS1811は、掩蔽観測用アンテナ一体型GPSユニットとケーブルのセットで、価格は26,250円。USBとシリアルポートのあるパソコンに接続することが前提で、電源は不要です。
ここで紹介しているSatkやPJPなどのフリーウェアも上のページからリンクをたどってダウンロードすることができます。具体的な設定や使い方も紹介されているので、参考にしてください。
※この商品は完売しました。
ビデオ観測
ビデオ観測なら、眼視観測よりもさらに高い時刻精度で観測できます。
高感度CCDカメラを望遠鏡に取り付けて録画し、後で解析すればより高精度な観測が可能になります。時刻情報を画面内に記録する時刻スーパーインポーザーがあればベストですが、簡易的にSatkが発信する1秒ごとの音声信号を同時に録音すれば、パソコンに取り込んでからビデオ編集ソフトで解析できます。
超高感度CCDカメラヘッドを望遠鏡に取り付けます。ワテック社のWAT-100Nなら口径20cmF4の反射望遠鏡で11等は観測可能です。
SatkやPJPの音声をパソコンのラインから出力しビデオデッキへ入力します。こうした手法がとれない場合は、固定電話の117時報でも0.03秒程度の精度があります。