レビー彗星(1990年) C/1990 K1

1990年5月にアメリカのレビーさんが発見した彗星で、8月下旬には3等台まで明るくなりました。頭部が明るく大きく開いた尾が印象的でした。


(川地博氏撮影のレビー彗星の写真)

タイトル:
「真夜中のレビー彗星」
撮影者:
川地 博
撮影日時:
1990年8月24日 23時51分、露出 5分
撮影地:
兵庫県 西はりま天文台公園
撮影機材等:
ペンタックス MX、ペンタックス SMCP 50mm F1.7、ケンコー HFフィルタ使用、フジカラー SHG1600、池見式簡易ポータブル赤道儀使用、手動追尾
撮影者コメント:

西はりま天文台公園がオープンした夏、ラッキーにも一晩、レビー彗星を含む星野の撮影をすることができました。姫路方面にわずかな街光を認められる以外、暗黒の夜空というロケーションの良さは最高でした。星友の池見和身氏から頂いた手動式簡易ポタ赤(同氏設計の手作りの金属製の逸品)での作品です。


(村田和彦氏撮影のレビー彗星の写真)

撮影者:
村田 和彦
撮影日時:
1990年8月26日 22時頃、露出 10分
撮影地:
滋賀県 金勝山
撮影機材等:
マミヤ RB67 180mm F3.5開放、フジ RSP II(+2増感)、ミザール H-100(D=10cm fl=1000mm)にて手動ガイド
撮影者コメント:

1990年の夏、もうすぐ1歳になる初めての子どもが物心ついた時、子どもに話してあげたり、一緒にできるような趣味も持って居なかった自分が情けなく思いバードウオッチングでも始めようかと思った矢先、出張中に車のラジオからレビー彗星が見えるとの話を聞いた途端、昔やっていた天文の趣味を再びやり直そうと本屋に駆け込んで、初めてスカイウオッチャー誌を手に入れ家に帰るや否やしまい込んでいた10センチの反射赤道儀を引っ張り出して極望も無い赤道儀にカメラを取り付けて、赤経どころか赤緯の両軸手動で撮影した写真です。これがきっかけで今はどっぷりと天文に…。


(大石勇一氏撮影のレビー彗星の写真)

撮影者:
大石 勇一
撮影日時:
1990年8月20日 0時38分、露出 10分
撮影地:
長野県南佐久郡臼田町
撮影機材等:
ペンタックスKM、SMCペンタックスA* 135mm F1.8開放、コニカカラー DD400、ビクセン スーパーポラリス赤道儀
撮影者コメント:

直前にやって来たオースチン彗星は、一般の人が期待するほどの明るさにならなかったせいか、その後にやって来たレビー彗星は一般マスコミがほとんど報道しませんでした。しかし、意外に明るくなり、視直径も大きく、しかも二股に分かれた短い特徴のある尾を持つ彗星でした。この頃、なんとなく彗星はプレッシャーに弱い(期待すればするほど暗くなる)ものと感じたのは、私だけでしょうか。


(沼尻裕氏撮影のレビー彗星の写真)

タイトル:
「レビ−彗星と球状星団M15」
撮影者:
沼尻 裕
撮影日時:
1990年8月18日 22時38分、露出 10分
撮影地:
岐阜県 乗鞍岳畳平
撮影機材等:
タカハシ MT-160 + レデューサー(D=16cm fl=776mm F4.8)、コニカカラー GX3200、タカハシ 90S赤道儀により半自動ガイド
ニコン LS-4000によりスキャン後、Photoshop7.0を使用して画像処理
撮影者コメント:

オ−スチン彗星が期待外れに終った後、肉眼彗星になったレビー彗星です。M15に接近した様子を撮影しましたが、さらに近づいた夜半過ぎには曇ってしまいましたので、これが会心の1枚になりました。スカイウオッチャー誌の1990年11月号に掲載された、思い出の写真です。電子暗室によって、フィルムに写っている情報をできる限り引き出してみましたので、掲載された当時の写真より良くなったと思います。


(田中千秋氏撮影のレビー彗星の写真)

撮影者:
田中 千秋
撮影日時:
1990年8月25日 21時30分頃、露出 8分
撮影地:
新潟県黒川村 胎内星まつり会場
撮影機材等:
ニコン FM2、自作反射望遠鏡(D=10cm F7)、フジカラー ネガ400、TS式P-2赤道儀にて電動追尾、直焦点撮影
撮影者コメント:

星まつりに出かけた会場内で望遠鏡を設置し、観望したレビー彗星をその場で撮影しました。小口径である10cm反射望遠鏡でも比較的簡単に撮影できるという見本的な作品に仕上がりました。


(山本海行氏撮影のレビー彗星の写真)

撮影者:
山本 海行
撮影日時:
1990年8月20日 24時04分〜20分
撮影地:
静岡県浜松市 遠州浜団地
撮影機材等:
ペンタックス MX、135mm F3.5開放、(フィルム)フジカラー HG400
撮影者コメント:

この写真は結婚して実家を出て、初めて住んだ団地の庭で撮ったものです。海に近い団地で、静岡県では大都市の浜松市内でも、ここはまあまあの空でした。

レビー彗星はハレー以来の彗星写真で、自分にとっては実際に見た2つ目の彗星です。双眼鏡で見たところ、ぼーっとした大きな光に見え、ためしに撮ってみたら青い尾が写ってびっくりしました。この彗星以後は百武彗星まで、しばらく彗星からは遠ざかることになります。今は別のところに住んでいますが、今でも南の空を見たいときは、この団地の近くの海へ行きます。私が引っ越したあと、すっかり建て直され変わってしまった景色に、さびしさと懐かしさを覚える写真です。


(渡辺守氏撮影のレビー彗星の写真)

タイトル:
「天の川からレビー彗星へ
撮影者:
渡辺 守
撮影日時:
1990年8月26日、露出 15分
撮影地:
大分県 久住高原
撮影機材等:
ニコン F2、Ai Nikkor 50mm F1.4→2、コニカカラー スーパーDD400、自家現像
撮影者コメント:

就職して3年目で、まだ独身、しかも仕事も忙しくなかったため、毎晩のように撮影に出かけていました。17:00に仕事が終わり、帰宅後、一路撮影地に。夜中の2時頃帰宅し、睡眠をとって出勤。

毎晩のように彗星の尾の形が変わっていくのを夢中で追っかけていました。

遠ざかってからも、アンチテールを綺麗に見せてくれた彗星で、ひじょうに良い勉強になりました。