ETX望遠鏡とWebカムで惑星撮影にトライ!
Registaxによるスタック処理
撮影直後の写真画像は、さまざまな影響から真価が埋もれてしまっています。また、一瞬に捉えた光を何百枚もコンポジット処理することで、前述のように見かけ上の解像力を向上させることができるのが、デジタル処理の魅力です。
ここでは、Registaxの独自機能であるウェーブレット変換でその変わり具合を追ってみましょう。
ウェーブレット変換を行う際のポイントは、撮影写真に写っている天体の大きさによって数値を決めることです。このため、同じETXであってもETX-90とETX-125では、大きさが異なって写るため、ここで紹介した設定値がそのまま流用できるとは限りません。幸いなことに、オリジナル写真画像があれば何度も繰り返すことができるため、満足できるまで試してみるというのが唯一の方法でもあります。
なお、このウェーブレット変換は、パソコンのCPU性能によって大きく処理時間が左右されるので注意が必要です。
今回は、撮影のための機材とその操作方法の概要を解説してきました。それぞれには、さらに使いこなしのテクニックがあることは確かなところです。しかし、紹介してきたような流れをつかむことで、この機材でこのような写真が撮影できるというイメージはつかむことができたと思います。
インターネット上で検索すれば、同等の機材ですばらしい写真を公開されている人が数多く居ます。
惑星写真の撮影では、操作とある程度の追い込みができるよう使い方に慣れてくれば、あとは撮影する環境依存が80%以上を占めることでしょう。筆者が軽量な機材を好む理由には、なるべく見る回数(撮影する回数)を多くすることで、撮影に適した晩に遭うことができるよう、機動力を重視しているためです。