さそり座に新星出現、櫻井さんが独立発見

このエントリーをはてなブックマークに追加
2月9日、さそり座に7等級の新星が出現した。茨城県の櫻井幸夫さんが独立発見している。

【2024年2月13日 VSOLJニュース

さそり座の中に7等級の明るい新星が発見されました。

新星を発見したのはオーストラリアのAndrew Pearceさんで、2月9.844日(世界時、以下同。日本時では10日5時15分ごろ)に撮影した画像から7.3等の新天体を発見しました。また、茨城県水戸市の櫻井幸夫さんもこの天体を9.836日(日本時10日5時4分ごろ)に7.1等で独立に発見しました。

Pearceさん、櫻井さんが7.84日に撮影した画像にはこの天体は写っていませんでしたが、Pearceさんが8.827日に撮影した画像はこの天体が7.8等で写っており、2月7.8日から8.8日の1日の間に明るくなってきたものと思われます。

さそり座の新星の位置
さそり座の新星の位置。画像クリックで星図拡大(「ステラナビゲータ」で星図作成)

2月10.4日にチリ・セロトロロ汎米天文台の口径4.1m SOAR望遠鏡で分光観測が行われた結果、この天体のスペクトルに線輪郭がP Cygプロファイルや吸収線となっている水素のバルマー系列や一階電離した鉄、中性の酸素やナトリウムのスペクトル線が見られることがわかり、この天体が極大付近の古典新星であることが確認されました。

確認画像
確認画像(撮影:野口敏秀さん)。日本時11日5時ごろ撮影で5.8等と報告されている

発見後の観測から、この新星は2月10.8-11.3日ごろには6等台後半まで明るくなり、12.3日には7等台半ばまで暗くなったことが報告されました。天体の位置は赤緯-38度と南に低いですが、まだしばらくは小口径の望遠鏡でも見ることができるものと思われます。今後の明るさの変化が注目されます。

櫻井さんの新星発見は昨年2月以来となります。