第19回 移動公演受注解禁の誓い
(星ナビ2006年7月号に掲載)
移動公演新規受付 いよいよ再開
早いもので今年も4月をとっく過ぎ、すでに7月だ。年度が代わると不思議に何か新しい世界に踏み出た気分がする。大平技研も設立からはや1年。そのわりに代わり映えしていないようでいて、やはりめまぐるしく物事が変化したような、何ともいえない状況だったが、今年度も実りある年であればと思う。
さて、昨年後半より凍結していた、移動公演の新規受付を4月から再開した。すでにいくつかの申し込みをいただき、早くも決定した話がいくつかある(情報公開が可能となり次第、告知もしていきたいと思います)。今年は技術開発に集中するはずの年だったが、気がつくと、今年もなんだか怪しげである。どうも僕は、面白そうな依頼を数多く寄せられても「作業効率優先!」と一刀両断に断れるほど、根性がしっかりしていないようである。
あらゆる面でクオリティ向上をめざす
メガスター公演はこれまでも数多く実施してきた。どれも貴重で、それぞれ大切な思い出にもなっている仕事ばかりだが、反省点もある。
それは上映のクオリティである。世界でもっとも先進的といわれるメガスターの星空の魅力をきちんと活かしているか。お客様の期待に応えているか、1回1回の公演に対してきちんと意識を払ってきたか。努力をしてきたか? 「まあこんなものか」と妥協していないか? メガスターの評判にあぐらをかいていないか? 自問自答すると、時に心許なくなるのである。多忙になるスケジュールの中で、モチベーションや1件あたりの情熱を維持するのは容易ではない。でもそこに気を払えなければ、結局はお客さんをがっかりさせ、メガスター全体の地盤沈下にも結びつきかねないのだ。
そこで年度をまたぎ、移動公演受注を再開するにあたって、僕は改めて、メガスター上映クオリティのさらなる向上のため、メガスター上映のあらゆる面にわたる改善活動を開始することにした。それには、メガスター本体や映像、音響などハード機材の整備や改良、上映内容の改善はもちろん、エアドームから、客席、空調やコンピュータシステム、果ては接客やクレーム処理に至るまで、ありとあらゆる全てが含まれる。改善すべき点、改善したい点を挙げればきりがない。その全てを一度にかたづけるのは気が遠くなりそうな仕事だが、それでも地上最高のプラネタリウムの誇りにかけて、理想公演を追求する歩みの努力の手を決してゆるめない。そう誓った僕なのだった。