メガスターデイズ 〜大平貴之の天空工房〜

第46回 初の社員旅行へ

星ナビ2008年11月号に掲載)

今回は大平技研初の社員旅行についてです。

滞在5時間の沖縄旅行

短期間のイベントが短期間に集中した今年の夏。その締めくくりとなったのは、前号でも触れた沖縄トミトンのメガスターIIイベントだった。そしてその終幕後に、とっておきのイベントが用意されていた。それが大平技研初の社員旅行にして、僕にとっても30年ぶりとなる旅行らしい旅行だった。

会社を設立して3年になるが、スタッフが増えて会社らしくなってきたのは今年になってからだ。いま、社内で働く常勤スタッフは5名。まだまだ組織とよべる規模ではないけれど、コミュニケーションも必要になってくる頃だ。イベント撤収のために何名かのスタッフが沖縄に行くことになっていてタイミングも良かったので、慰労を兼ねて、事務スタッフも含めた全員が沖縄で合流し、盛大に楽しもうということになった。はからずも取締役でもある父のツテで、高級リゾートホテルに格安で泊まることができたのも、ありがたい誤算だった。

ただ僕は、残ることにしたのだ。理由はいくつかある。諸々の業務が重なっていたこと。そして何より、やらなければならないこと、やり残しの仕事があまりにも数多くあって、それを片付けずにバカンスはないだろう? という自責の念だった。実際、今でこそこの原稿で暴露してしまっているが、僕が沖縄旅行なんぞ行くと聞いたら「そんな時間があるならこれをやって下さい」と怒るであろう人の顔を10人は簡単に思い浮かべることができた。

「大平さん、本当にいいんですか?」と気遣うスタッフたちを見送り、僕は粛々とメンテナンス等の仕事に集中することになった。

とはいえ、みんなが楽しんでいるかと思うと仕事が手につかない。僕は仕事でこそ海外も含めたいろいろな土地に出かけることがあるが、余暇としての旅行らしい旅行をしたことがほとんどない。海水浴は小学校5年生以来。行きたくないはずがない。いや、自分が一番行きたかったはずなのに、と思うと、頭の中がぐるぐる回って何も仕事が進まない。

で、結局、土壇場で参加することにしたのだ。とはいえすでにいろいろな予定を入れてしまっていたから、参加できたのは実質的に最終日のみ、滞在時間で5時間程度だったろうか。

それでも沖縄の海に入ることができた。海水はこんなにしょっぱかったのかとか、水泳に慣れない僕にとって海というのは案外怖いものだなとか、他の人が聞いたら呆れるような驚きを感じつつも、想像以上の至福のひとときを過ごした。心のどこかで、不義理をしてしまっている人たちに、ごめんなさい、と心の中で詫びながら。

するべきこと、積み上げられた課題を消化して、天下御免で遊びに行ける日は来るだろうか? もっと頑張って、もっと効率的に、間違いなく仕事を進める。社会人として当たり前のことだが、それが僕の目の前に課題として立ちはだかっている。

海水浴

沖縄の海で小学校5年生以来の海水浴。

シーサー

沖縄名物シーサーと。